留学同フェスティバル
初の全国イベント
8日に日比谷公会堂で
民族意識守る大切さを
大阪(左)と京都(右)の学生たちによる演劇の練習(11月24日) | |
大阪で開催された第3回中央実行委員会(11月23日) |
そろいのジャンパーも準備 |
本番まであと5日に迫った民族サラン! 留学同フェスティバル「もうひとつの同胞大学、それがウリチャラン(わが誇り)」。日本の大学、専門学校に通う同胞学生の集まりである留学同が史上初めて全国的規模のイベントに挑む。本番に向け各地では最後の追い込みに入っている。11月24日には、大阪、京都の学生たちが出演する演劇の発表会が大阪市内で行われた。
今風にチャットで 「だれか僕とチャットしませんか」 今風にチャット(パソコンのおしゃべり)のシーンから始まる大阪の演劇。23〜24日に合宿をして練習を積んだだけあって、なかなかの完成度だ。大阪の出し物は、留学同メンバーたちの普段の活動ぶりを描いたものだ。同時に全体の流れを引っ張る骨組の役割も果たしている。 脚本を担当した一人、大阪芸術大学4回生の朴重信さんは、「より良いものをと、何度も相談して多少時間がかかった。スタートの遅れを挽回するために今猛練習中です。今回の演劇では僕たちの日常が映し出される。同胞社会、そして日本社会に留学同の存在を広く知らせたい」と話す。 日常とは、ウリマル教室やサマーセミナーなど同胞学生らの集いの場、一人でも多くの同胞学生を探し出し彼らに民族心を植え付けようとする活動など。中には朝鮮人であることを隠し日本人として生きようとする同胞学生もおり、誘いにも応じない。「楽しい部分、ドロドロした部分の両方を描いた」(朴さん) 「4.24」題材に 京都の学生らが出演する演劇は、1948年の「4.24教育闘争」を題材に、民族教育を守る先輩たちのたたかいを描いている。 10月後半から週1〜2回のペースで練習してきた。10代後半から20代前半の学生たちにとって、「4.24教育闘争」と言っても活字で接した程度だ。 「当時の人々になり切ることで、民族教育が守られてきた歴史を、身をもって知るきっかけになる。最近は民族などどうでもいいという傾向が著しいが、決してそうではないことを演劇を通して訴えたい。同胞学生にとくに見に来てほしい」と、立命館大学4回生の金賢一さんは語る。 準備過程が大事 今回のフェスティバルの特徴は、留学同に所属する日本全国の学生が出演することだ。それぞれ、合唱(兵庫)、サムルノリ(関東)、バンド演奏(東海)、仮面舞踊(九州)、歌と説話(中・四国)などを予定している。 愛知学院大学3年生の姜裕薫さんはこう言う。 「東海の場合、範囲が広くて練習にもなかなか集まれないので、静岡のトンムたちは独自に練習するなど工夫をこらしてきた。これを機会に東海留学同の活性化につながれば」 中・四国地方では来年2月の本部結成に向けて準備が進められている。 「低学年のトンムたちに主体性が芽生えてきた。自分はもう卒業だが、フェスティバルを機会に、名も実もある本部が作れると思う」と四国学院大学4年生の林忠彦さん。 サムルノリに出演する東京国際大学4年生の李智香さんは、「練習を通じて民族意識が芽生えている。本音を話してくれるトンムも増えた」と準備過程が仲間を増やす機会になっている点と強調する。「チケットを販売する過程で女性同盟のオモニ、朝青のトンムたちが『頑張って』と声をかけてくれる。同胞のありがたみを感じる」 留学同の存在、そしてその良さを多くの人に知ってもらう機会にしたい、というのが共通した思いだ。(文聖姫記者) ◇ ◇ 民族サラン!
留学同フェスティバルは8日午後6時より東京・千代田区の日比谷公会堂(TEL
03・3591・6388)で行われる。開場は午後5時。前売チケットは一般1500円、学生1000円。当日チケットは全2000円。※中学生以下無料。問い合わせはフェスティバル実行委員会まで。TEL
03・3818・6138。 |