取材ノート
受け継がれる1世の精神
団結した力で、民族的尊厳を守ろうとする同胞たちの熱い心をあらためて見ることができた。
総聯中央本部に対する強制捜索が実施されるとの日本のマスコミ報道が流れた翌日(11月29日)、東京・千代田区の同本部前には早朝6時過ぎから、数百人を超える総聯活動家と同胞たちが不当な強制捜索に抗議しようと集まった。 「日本当局が朝鮮人を抹殺しようと流言飛語を発し、自警団を組織させて朝鮮人虐殺へと導いた関東大震災時の朝鮮人虐殺をほうふつさせる」、「どうして黙って見ていることができようか。私も現場で組織を守る」――強制連行などによって渡日を余儀なくされた1世同胞たち。そして自分の体を盾にして強制捜索に抗議したのは、孫の年にあたる青年たちだった。 午前8時過ぎ、捜査員を乗せたワゴン車が本部の前に現れたものの、抗議に屈して撤退。2時間後には、盾を持った数100人の機動隊を動員して実力突入を図ろうとしたものの、体を盾に抗議する青年たちに勝てず、機動隊はずるずると数10メートル後退し、結局、入口に近づくこともできなかった。 青年たちは「在日同胞の権利と人権を守り、朝・日友好のかけ橋として尽力している総聯中央本部をなぜ強制捜索するのか。政治的弾圧だ。民族差別と迫害に反対する」などとのどが裂けんばかりに訴えた。 現場でこうした光景を目のあたりにしながら、たたかいを通じて在日同胞の権利と人権を守り、在日朝鮮人運動をきり開いてきた1世たちの精神が、確実にその後代、とくに青年たちに受け継がれていることを実感した。 日本当局による総聯組織に対する政治弾圧は今後も続くと予想されるが、1世の精神を受け継いだ同胞たちの団結した力があれば、必ず試練を乗り切ることができるだろう。(基) |