東京・日比谷公会堂で留学同フェスティバル
代継いで民族性守る
団結力強まる
フェスティバルは、軸となる大阪留学同の演劇の中に、関東のサムルノリ、京都の演劇、中・四国の歌と語り、東海の軽音楽演奏、兵庫の合唱、九州の「タルチュム(仮面の舞)」が要所要所にちりばめられた。 全体の流れを構成する重要な役割を果たしたのが大阪。主人公のソンテを演じた大阪大学3回生の朴成泰さんは、「全国規模で一つのものを作るのでたいへんな部分も多かったけど、その分、今まで以上に全国の団結、各地方ごとの団結力が強まったと思う」と感無量の様子だった。 全編を通して学生たちが訴えようとしたのは、代を継いで民族性を守っていきたいという思いだ。 京都の演劇は客席の涙を誘った。1、2世らが日本で朝鮮の言葉、そしてそれを学ぶ場である朝鮮学校をいかに守ろうとしたかを描いた重いテーマだったが、良心的な日本人教師の目を通して民族教育の必要性を描いたことで、ストーリーも分かりやすいものに。 「在日の人たちが民族性を守って生きていけるよう、日本人もともにたたかうべきだと思う。同化ではなく本当の意味での共生ができれば」と、在日の友人がいるという都内の大学2年生は感想を述べた。 決意の場に クライマックスの舞台は毎夏に行われる「マダン」。キャンプファイヤーに火をともす中、兵庫の学生らが作詞作曲した「あの日のように」の合唱が披露された。バックスクリーンには、日本の植民地となった朝鮮半島、玄界灘を越えて日本にやってきた1世たち、そして統一のためにたたかう南北の人々の姿などの映像が流された。 「在日朝鮮人がどのような経緯で日本に渡ってきたのかがよく分かった。われわれは日本の歴史認識を改めていく必要がある」。神奈川県在住の25歳の男性はこう述べた。 歴史教科書問題や首相の靖国神社参拝、米テロ報復支援を目的とした自衛隊の海外派兵など、昨今、日本が急速に右傾化への道を進む中で総聯中央への強制捜索が行われた。 「僕たちにとって日比谷公会堂はある意味でたたかいの場だった。差別や偏見に負けず日本で民族性をしっかり守っていくという決意の場だ」と出演者のある学生は語る。 「留学同は、21世紀にも変わりなく『もうひとつの同胞大学』としての伝統を誇り、祖国の統一と繁栄、仲むつまじく豊かで力強い同胞社会構築において常に先頭に立っていく」 フィナーレで発表されたこの「留学同宣言2001」に、出演者全員の思いがぎょう縮されている。 大文化祭も 一方、9日には東京・北区の東京朝鮮文化会館で、「民族サラン! 留学同大文化祭」が催され、「支部チャラン(自慢)運動」で成果を収めた支部が表彰された。総合最優秀支部に留学同東京・渋谷世田谷合同支部と留学同西東京・武蔵野合同支部が選ばれた。(文聖姫、羅基哲記者) |