山で元気!

八方尾根、八方池
(2065メートル、長野県)

山頂で同窓会、 親友の笑顔に乾杯!


 同時多発テロに対する米国の大規模軍事報復攻撃と日本経済の長びく不況など重く、暗い空気が漂う最中の11月5日、穂高ビューホテルで朝鮮大学校5期生同窓会が開かれた。

 朝大5期卒業生の誇りは、この暗さと圧迫感を吹き飛ばすほどメチャ明るいことだ。逢うや、創設期、大学の本校舎をわれわれ学生が建設していた頃の思い出話に花が咲く。宴会中もずっと、同時多発テロの本質をどう観るのか、この事件は在日同胞らにどう影響を及ばすのか、との議論が尽きない。やっと、学生時代の青春歌謡に移る。「ネナラ」の合唱、カラオケは延々と続き、夜明けになってもやまない。

 翌早朝、ホテルのバスを貸しきり、八方屋根トレッキングに出かける。ゴンドラ、クワッドリフトを乗り継ぎ八方池山荘につく。ここは2200メートルの世界、寒い。4人が寒さとしんどさで、第1ケルン到着までに脱落。第2ケルンまでは素晴らしい屋根道。夏には、ハクサンシャジン、ニッコウキスゲの花が咲き競うところだ。快晴のときは、白馬連峰を右手に眺め、北アルプスの峰峰に陶酔しながら鼻歌が出る登山道だ。今日はガスが濃く展望はあまり良くない。第2ケルンで全員の記念撮影。そして、最終目的地の八方池に辿り着いた。この第3ケルンは、白馬三山と周囲の山々が展望できる雲上のパラダイス。八方山上で、「朝大5期同窓会乾杯」の音頭が朗朗とこだまする。昼食の合間に、ガスが風に流され、雪を被った雄大な白馬がチラッと顔を覗かせる。

 「白馬が見えた、見えた」と大騒ぎ。カメラマンは全員の嬉々とする笑顔を連写する。久しぶりに旧友と会い、積もり積もった話に夜の更けるのも忘れ話し込んだ。親友は好いな!  今日はこの素晴らしい白馬の大自然にどっぷり浸かり晴れ晴れした気分。

 水面に白馬三山を映している八方池辺の下山道を下って行く同窓生の背中は楽しそうで軽やかだった。(朝鮮大学校5期卒業生実行委員長・金相煥)

 【コースとタイム】八方駅〜ゴンドラ〜兎平、リフト〜八方池山荘〜第2ケルン〜第3ケルン・八方池(歩行時間2時間30分)

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