離散家族たちの手紙からー
厚い血肉の情伝わる
「ハンギョレが伝える南北の手紙」という新年企画特集は、新年を迎えながらも安否すら伝わらない離散家族に小さな労いを与えようという、素朴な思いから始まった。昨年50余年ぶりに平壌とソウルで再会した離散家族は、より大きな思いと別れの痛みで新年を迎えたことであろう。そのことからまず、紙面を通じてでも消息を伝えようと、北側に提案した同紙(1月1日付)はこう指摘する。
「北側の答えは明快だった。『歴史的な平壌での出会いの成果を強固にして、民族の和解と団結をより強化するのに力になる、良い発起だと思う』」。そして、「貴社の新年特集を通じて、北側の兄弟の思いが南側の兄弟にそのまま伝わることを期待します」と。この承諾の言葉とともに、北側から5通の手紙が「ハンギョレ」に届けられたのである。 「経済危機、ストと解雇の寒風が吹く慌ただしい歳末に届けられたこれらの手紙には、父が娘に、娘または息子が母に、弟が兄に、など、家族の厚い血肉の情が込められている」 北の女性博士である舞踊家、キム・オクペ氏(63、平壌音楽舞踊大学教授)は、86歳の老母に送る手紙「母の姿を思い描いて」の中で、「『息が詰まり、心臓が止まる』かのような、第一次訪問の時の出会いを思い出し、4兄弟と末娘のあいさつを代弁している。かと思えば、82歳、白髪にてようやく南側を訪れた代表的な言語学者、リュ・リョル氏(83、社会科学院言語学研究所教授)は、還暦を迎える娘に送る手紙で「懐かしくて会いたい私の娘」と表現し、再会以降のやるせない思いを伝えている。 「娘インジャへ、父より」「母の姿を思い描いて」「愛する母へ」「お姉さんへ」「お姉さんが最も愛する二番目の弟」など。「北は新聞編集の参考になると言って、当事者が自ら書いたこれらの文章の見出しも一緒に送ってくる配慮を忘れなかった」と、同紙は指摘している。 |