そこが知りたいQ&A
当局間対話の現状は
順調なすべりだし
3度目の離散家族相互訪問
Q 今年を6.15北南共同宣言履行の決定的な年にしようということは、北南、海外を問わず朝鮮民族の一致した願いだ。そのうえで、当局間の対話は重要な鍵を握っているが、今年に入って北南対話の進展具合はどうか。
A 順調なすべり出しを見せている。表にもあるとおり、先月27日から金剛山で第3回北南赤十字会談が開かれた。 当初、第3回会談は3月に開かれると見られていたのだが、北の赤十字会中央委スポークスマンが1月中に開催することを呼びかけ(1月11日)で実現した。 また、新義州とソウルを結ぶ京義線の敷設工事と関連した非武装地帯における共同管理区域の設定、地雷除去など共同規則を作成する軍事実務会談も、ほとんどの項目で見解の一致を見た。報道によると、規則は41項目あり、そのうち36項目で合意したとのことだ。大方の予想では、次回の実務会談で完全合意に達すると見られている。共同規則で合意がなされれば、第2回北南国防相会談で署名される。 さらに昨年、合意書を発表することができなかった北南経済協力推進委が、その間の文書のやりとりを通して合意書を発表するに至った。 こうした動きは、北南当局者対話が順調に行われていることを示している。 Q 日本の新聞では、第3回赤十字会談が、焦点の面会所の設置などで合意できず、これといった進展がなかったと報じたが。 A 面会所の設置が焦点というのはどうかと思う。たしかに、懸案の1つではあるが、それが最大の焦点ではない。重要なのは、離散家族だけに限らず、非転向長期囚の送還を含めた人道問題全般を解決することだと思う。それに、面会所を設置するということで北南双方は、意見を1つにしており、どこに設置するかという場所の問題で合意に至らなかったというだけだ。 Q 面会所の設置場所についての意見の相違とは。 A 正式に公表されたものはないが、北は金剛山と京義線がつながれば、その連結地点にも設置しようと提案し、これに対して南側は、京義線連結地点に恒久的な面会所を設置し、その前に板門店と金剛山に臨時面会所を設置しようと提案した。 Q ということは、金剛山と京義線連結地点での設置で双方が一致しているから、残るは板門店の臨時面会所ということになる。どうして板門店ではだめなのか。 A 考えられるのは、板門店が「分断の象徴」ということと、板門店南側地域を管理しているのが米軍だという二点。 昨年6月の歴史的出会い、共同宣言の発表によって北と南は、分断から統一、民族和解へと新しい道を歩み始めた。しかも、金剛山には昨年12月現在で南から37万人を越える市民が観光に訪れた。交通の便も悪くない。そうした好条件を無視して、分断を想起させる板門店を選ぶ必要があるのだろうか。 また、北南共同宣言では、統一問題を民族の力を合わせて、自主的に解決することをうたっている。なのに、朝鮮民族にとって外勢である米軍が管理する地域で、南北が和解の再会を果たすというのもどうかと思われる。 実際に、現代グループの鄭周永名誉会長が板門店を通って訪北したときなど、米軍が手荷物や牛の検査にあたっている。いくら離散家族の再会といえども、板門店では米軍の関与を排除できないだろう。 Q これまでの赤十字会談では合意書という形で発表されたのに、今回の会談では共同報道文となった。これについて、一部では後退という見方もあるが。 A 一般的に合意書は法的効力を伴い、共同報道文は紳士協定だと言われている。しかし、北南間において合意書の法的効力についての取り決めはないし、北南閣僚級会談でも共同報道文の形式をとっている。合意書だろうが共同報道文だろうが、要は、実践意思の問題で、あまり合意の形にとらわれる必要はないように思われる。 Q 最近、マスコミが金正日総書記のソウル訪問時期について色々書いているが。 A 正式に発表されたのは、昨年9月の金容淳書記と林東源・国家情報院長との共同報道文だけ。そこには、金正日総書記が近日中にソウルを訪問し、これに先だって金永南最高人民会議常任委員長がソウルを訪問するとなっている。時期について正式に発表されたものはない。 |