春・夏・秋・冬

 1月は 行く 、2月は 逃げる 、3月は 去る という。月日が過ぎる早さをたとえているのだが、年齢に比例して、その早さを痛感する。21世紀に入って、もう1ヵ月と9日、21世紀の900分の1が過ぎた

▼日本という ぬるま湯 の中で生活しているせいか、新世紀に突入したという実感がない。この40間、日本の新聞はKSD不正事件、外務省機密費横領疑惑、筋弛緩剤点滴殺人、赤ちゃん連れ去り事件などを1面トップで報じてきた。20世紀となんら変わりがない。唯一の救いが、ホームから転落した男性を助けようとした李秀賢氏の「殺身成仁」行為だが、これとて、やり切れなさが残る

▼21世紀を意識したのは、小学校の頃だった。「鉄腕アトム」に出てくるような世界を想像していた。空中を飛ぶ自動車、超近代的なビル、動く歩道……。そして、最後には正義が勝つ。たしかに、その一部は実現しているが、幼い頃に抱いていた夢とはほど遠い

▼その夢は、東海を越えてやってきた。先月10日に行われた「わが民族同士で統一の扉を開く2001年大会」は、それまでの各政党、社会団体の連合会議とは違っていた。「今年は何かが違う」ことを予感させた。そして、金正日総書記の中国非公式訪問によって、その予感は、確信に変わった

▼1月4日付の労働新聞は、「21世紀は雄大な転変の世紀、想像の世紀だ」との見出しで、金正日総書記の語録を紹介した。「人民がこの世にうらやむものがなく暮らす社会主義楽園」(共同社説より)への変ぼうである。(元)

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