中等教育実施 55周年

低価格の仕入れルート一本化

売り上げの一部, ハッキョ運営に

日本の食品卸売商社とタイアップ

東京都中央・江東商工会


東京朝鮮第2初級学校で学ぶ生徒たち


同胞業者30余店が賛同、軌道に

 ウリハッキョを支援する運動が全国各地で盛んに行われているなか、在日本朝鮮人東京都中央・江東商工会(呉公哲会長)が組織を上げて取り組んできた、管下の東京朝鮮第2初級学校(江東区枝川)をバックアップする計画が年初から軌道に乗り始めた。同商工会飲食部が都内の日本の業務用総合食品卸売商社と契約を結び、管下の同胞飲食店がそのルートを通じて買った商品の年間売上の中から、商社が数%を同校教育会に入れるというものだ。

一石二鳥

 同商工会では、数年前から焼肉店を対象に催している経営セミナーの一環として、昨年7月から、同胞飲食店の食材仕入価格の調査を行った。その結果、同じ食材なのに仕入れ先によって、価格に大きな差のあることが分かった。

 商工会では、消費低迷の厳しい状況が続くなか、食材のコストダウンを図り、統一価格で同胞業者に提供できる方法はないか、と道を探った。また同時に、「その売上の一部を、財政難に悩むハッキョの運営に当てられないかと考え、都内の商社と交渉した」(康秀男・同商工会理事長)。

 商社側は商工会の熱意に打たれ、「顧客は増えるし、その顧客の出身校ということなら」と快く商工会の申し出を受けてくれたという。

 この計画に同胞業者も、ニーズにあった食材が以前より安く購入でき、学校の運営に役立つなら一石二鳥と、焼肉店や居酒屋、中華料理店など三十余店が賛同してくれた。中には学父母以外、民団傘下の同胞も含まれている。

 そして、今年一月から商社との取引が始まった。注文・発送は一品から可能で、同胞業者と商社が直接、取引を行う。

ごま油、コメなど

 食材の品目はしょう油やごま油、みりん、味噌などの調味料、そしてワカメ、シイタケ、コメなどで、ブランド、種類も豊富だ。

 同校の裏手で焼肉「大喜(たいき)」を営む李元吉さん(46、同校中級部3期卒業生で同校の学父母)は、「価格は、加入していない他店と比べるととても安い。子供は総聯運動の未来、祖国の未来でもある。ハッキョは、そんな子供らを、立派な民族の一員として育てる場だけに、さらに盛り立てていきたい」と語っていた。

 都内の地域商工会では、中央・江東商工会をモデルに、管下のウリハッキョを支援する運動の一環として、同様の事業を推進しようとする動きが表れている。(羅基哲記者)

同胞とハッキョにメリットを/中央・江東商工会 康秀男理事長

 日本社会の中で民族的素養を培い、朝鮮文化を次世代に伝えていくためには、ウリハッキョが絶対に必要だ。そのハッキョを守ることは民族を守ることになり、そのためには多くの人の協力と支援が必要だ。

 各地のハッキョ、また地域同胞らは様々なアイデアを駆使し、ハッキョを支援する運動を繰り広げてきたが、今後は同胞らの負担を少しでも軽くし、同胞とハッキョの双方にメリットが生じるような工夫がなされていくべきだ。

 今回のアイデアはその1つにすぎないが、身近なことから1つひとつハッキョを支援する運動へ転換させていきたい。こうした工夫が全国的にさらになされ拡大されれば幸いだ。

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