出会い−民族結婚B・・・・同胞結婚所がサポート

国籍、環境の壁乗り越える

事情打ち明け理解し合う

日本国籍と朝鮮籍/李、朴さん夫婦の場合


 99年夏に結婚式を挙げた東北出身の李漢成さん(30)と関東出身の朴美香さん(28、いずれも仮名)。

 彼らの出逢い、そして結婚に至るまでの過程は一言で言って、育った環境や国籍の壁を乗り越え実現したものと言える。

 出逢いは結婚1年前の7月、青森県で行われた出逢いのパーティー「十和田湖畔キャンプの集い」だ。

 同胞数が少ない北海道、東北に住む同胞青年と、そこに嫁いでもよいという同胞女性を対象に催された。

 女性参加者は、関東や近畿圏在住者が大半を占め、20代前半から40代までの30余人が、自然の中でそれぞれの思いを語った。

気持が通じ合った李さんと朴さんだったが、2人の告白には、とても複雑な問題が含まれていた。

 李さんは大学まで日本の学校に通い、同胞との接触がまったくなかった。それに日本国籍を取得した父の国籍をそのまま受け継ぎ、日本の社会にどっぷり浸かって暮らしてきた。

 一方朴さんは、朝鮮大学校卒。理想の相手は大学まで民族教育を受けた「朝鮮青年らしい人」だった。

 パーティーはまず、男性が女性の前で、2分間ずつ自己紹介するトークから始まる。その後、食事やボート乗り、ハイキングなどを通じて交流を深める。参加者らには、話しをする場が設けられ、そこで互いのことを深く知る会話が行われる。李さんたちは、深夜3時まで語り合った。

 朴さんは朝大卒の「バリバリの朝鮮女性」。それが李さんにとっては非常に、「新鮮」だった。朴さんは「理想は民族教育を受けた人だったが、すべてを包み隠さず、それも真剣なまなざしで語る李さんに『運命的なもの』を感じた」。

 2人の交際をサポートした同胞結婚相談中央センターの李愛浩副所長は、交際に発展した要因について@互いが悩み事を初めから正直に打ち明け、それを徹底的に聞き理解し合ったことA相手に対する先入観を持たなかったこと、と語る。

 父が営むパチンコ店を手伝う李さんは、仕事の都合で上京した際、デートを重ね、その後朴さんの両親を訪ね2人の意思を伝えた。

 「子供にも恵まれた。今では商工会を始め、地元の同胞とも交際している」と喜ぶ李さん。この集いでは、6組のカップルが成立。朴さんが誘って参加した女性もゴールインした。(羅基哲記者)

 入会・資料請求などの問い合わせ=同胞結婚相談中央センター(TEL 03・3818・7001)および地方センター、各相談所。ホームページ=http://www.kyoron.net

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