春・夏・秋・冬

 「ネ、ネ、知ってるゥ? あの人、チョー有名人なんだヨ」「感激しちゃったぁ」「焼き増し、いっぱいしないとネ」「モチ。でっかく引き伸ばして、カッコいい額縁買ってさぁ」「いちばん目立つ所に飾らないと」……。1週間前、都内のホテルで、20歳前後とおぼしき男女3人が、こんな会話をしていた

▼この日、体連主催の朝・日親善懇親会が開かれ、プロボクシング世界チャンピオンの洪昌守選手も出席していた。冒頭の3人は、たまたまロビーで洪選手を見つけ、一緒に記念写真をと頼んだのだが、洪選手はいやな顔ひとつせず、快くガッツポーズを決めて応じた。それで、その3人はさらに感動したというわけだ

▼「実るほど頭の下がる稲穂かな」ではないが、世界チャンピオンになっても腰を低くし、何事にも誠実に対処しようとする洪選手の態度には好感がわく。この日の懇親会でも、「応援してくれてありがとうございます」と大声で述べて、会場から大きな拍手を受けていた

▼「最近の若い者は」という言葉をよく耳にするが、そうでない若者も少なくない。年輩者の前でタバコを吸わないのはもちろん、ビールをのむときも横を向く。たとえ、髪を茶色に染めていても。21世紀のビジョンもしっかりと持っている。で、彼らに共通するのは、朝鮮学校出身者ということだ

▼「洪選手は朝青の班長もやってるんだろう」「ウン、やはり朝鮮学校卒業生は違うね」。一部始終を見ていた同僚と意見が一致した。在日朝鮮人の中等教育が実施されて、今年で55周年になる。(元)

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