取材ノート

労働新聞から新しい観点探る


 朝鮮では今年初めから、強盛大国を建設するために、すべての問題を新しい観点で解決することが提唱されている。

 これがどういう意味を持つのか。分析して記事にするため、2月中旬までの労働新聞をまとめて読んでみた。朝鮮の政策を知るには、政権党である朝鮮労働党中央委の機関紙がやはり参考になるからだ。

 興味深い記事は多々あったが、中でも目を引いたのが1月28日付3面の記事。国の経済を司る内閣の委員会、省などの責任活動家が、平壌市内に昨年建設されたインスタントラーメン工場、ダチョウ牧場などを参観したという内容だ。金正日総書記が「満点の牧場」とほめ称えたダチョウ牧場を、幹部らが視察する写真も添えられている。

 このダチョウ牧場、昨年相次いで建てられた養鶏工場、ナマズ工場などとともにモデル工場になっている。

 なぜモデルになるのか。それは、これらの工場がコンピュータ化、オートメ化されているからだ。味噌、しょう油などの調味料を作る基礎食品工場も、全工程がコンピュータ化されているという。このような工場は年末だけでも全国10ヵ所に建設された。これによって、味噌などの大量生産が可能になったという。

 科学技術重視政策と実利追求――この2つは昨今、朝鮮で繰り返し強調されている点だ。

 これらをかみ合わせた前述のような動きが、「新しい観点」について知るうえで参考になる。「ナマズ工場、家禽(きん)基地、基礎食品生産基地をはじめとする創造物は、従来の思考方式を持ってしては考えることすらできない」(労働新聞1月9日付)という指摘もある。

 新しい世紀に入り、総書記の動向はますます注目を集めている。総書記の戦略をできるだけ正しく伝えていきたい。そのために、また労働新聞を読まなければ。(文聖姫記者)

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