在日朝鮮人の歴史Q&A

朝鮮大学校はいつできたの?

53年から提起、56年に創立/同胞社会担う人材を


東京朝高内の仮校舎から始まった
朝鮮大学校(東京・北区の十条)


  朝鮮大学校の創立について教えてください。

  朝鮮大学校は1956年4月10日に創立されました。今年、創立45周年を迎えます。これによって在日同胞は、初級学校から大学に至る一貫した民族教育体系を確立しました。

 大学設立構想は53年初旬ごろから提起されていました。当時、祖国と同胞社会を担う人材育成、なかんずく民族学校の教員養成は急務でした。また朝鮮高校卒業生が日本の大学に進学できなかったことも独自の大学設立を必要とする理由でした。この構想は「大学無用論者」「時期尚早論者」たちの強い反対に合い実現しませんでしたが、同年10月、教員養成学校である中央朝鮮師範学校(のちに朝鮮師範専門学校と改称)がなんとか設立されます。

 大学設立構想が具体化されるのは、朝鮮総聯が結成(55年5月25日)されてからのことです。総聯は結成大会で師範専門学校を大学に改編する方向性を打ち出し、第2回中央委員会(55年9月)で朝鮮大学校の創設を決定します。

 このようにして創立された大学は、当初教員10余人、学生60余人からなる2年制、7学科(語文、地歴、経済、数物、生物化学、体育、芸能)の大学として出発しました。師範専門学校卒業生を2年生に編入させたので2学年同時にスタートしました。また初めは、東京・十条にある東京朝鮮中高級学校の建物の一部を仮校舎として利用していました。

 そうしたなか祖国から送られてきた教育援助費と奨学金のうち、第2次教育援助費1億51万円と3次、4次援助費から各5000万円が大学新校舎建設にあてられることとなります。こうして59年6月9日、待望の新校舎が東京都小平市に建設され、総合大学として発展していくこととなります。

 現在朝鮮大学校は8学部と研究院、4つの研究所を備えた総合大学として、祖国の未来を担い同胞社会をリードしていく人材を育成しています。(金大遠、研究家)

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