四国初中創立55周年記念 「統一世代の集い」
「民族教育、私たちが守る」
卒業生、父兄、地元同胞ら
四国4県200余人が参加
芸術公演、タイムカプセル掘り起こし
タイムカプセルを掘り起こす卒業生たち
思い出がいっぱいつまった写真に、目を細める卒業生
「四国朝鮮初中級学校創立55周年記念 統一世代の集い」が18日、愛媛県松山市の同校で催され、第34期から第43期(1991年3月卒から2000年3月卒)までを中心とした四国四県の卒業生と在校生、教職員、同胞学父母ら200余人が参加した。民族教育のもとで健やかに育ち、様々な分野で才能を発揮している卒業生たちの姿を通じて参加者らは、21世紀という新たな世紀に、民族教育を自分たちの手で守り発展させていくことの大切さを改めて実感していた。(関連記事−社会・生活欄)
集いは、第1部の「学生芸術公演」と、第2部「統一世代の集い」の2部構成で行われた。 開催に先立ち、実行委員会委員長の趙成虎・同校教育会会長があいさつし、「私たち在日同胞の願いは、祖国の統一と、日本との国交正常化、そして在日同胞に対するあらゆる制度的差別がなくなること。今日の集いが、そのための大きな第1歩になることを願う」と語った。 第1部の公演では、中級部舞踊部生徒たちによる舞踊をはじめ寸劇、漫才、民族器楽の演奏、合唱などが披露され、生徒・児童たちの一生懸命な姿に、観覧した同胞たちから大きな拍手と歓声が送られた。 昼食・休憩には、昔から卒業生や在校生の間で人気がとくに高かったという同校食堂の定番メニュー「中華そば」がふるまわれ、参加者らは懐かしい味に舌鼓を打ちながら、当時の思い出話に花を咲かせた。 午後の第2部ではまず、金太宇校長が「参加者に送るメッセージ」を披露した。金校長は「朝鮮を取り巻く情勢は日増しに良くなっているが、ここ日本における私たち同胞の生活は、不況のさなか、依然として厳しい。現在の在校生数は26人を数えるに過ぎない。でも、そんな中でも私たちは、民族教育の歴史と伝統を受け継いできたし、卒業生たちも立派に巣立っていった。この学校を守り、民族教育を守ることが私たちの使命。四国の同胞みなの力で学校を盛り立てていこう」と訴えた。 また、愛媛県商工会と金剛保険四国支社から、同校への祝賀金が金校長に手渡された。 続いて、各界で活躍する卒業生の紹介が行われた。 21歳の時に公認会計士の資格を取った高秀一さん(26、第33期卒業)は、「朝鮮学校を卒業した自分が同胞のために何ができるかと考えた末に、有資格者となり寄与したいと思った。同級生や周りの同胞の支えがあったからこそ、ここまで来られた。これからも周りの支えを糧に、同胞のためにがんばりたい」と、抱負を語った。 また、第34期から第43期までの卒業生が、90年11、創立45周年に際して校舎の花壇に埋めた「タイムカプセル」が10年の時を経て披露された。当時の在校生らは将来の夢をつづった作文や録音テープを手に、懐かしい思い出にひたった。 また、今年以降に入学予定の地元の子供たちによる公演が行われ、かわいらしく歌い踊る姿に会場は爆笑の渦に包まれた。最後に参加者全員が「われらの願い」を合唱し、記念撮影で閉幕した。 初・中級部の9年間、同校で寮生活をしたという高基善さん(23、第36期卒業)は、「生徒数が減っても、どこか昔と変わらない雰囲気で、ほっとした。同胞らの心の拠り所であるハッキョ、民族は、これからは若い世代が守っていかなければならない。私たちが結婚して子供が生まれ、その子たちが学齢期を迎えるであろう数年後には、生徒数も増えているでしょう」と語っていた。(柳成根記者) |