新世紀へ・・・民族教育を歩く

歌は世につれ・・・


 サッカー、ラグビー、ウェイトリフティング…近年ウリハッキョの運動部が元気だ。インターハイや選手権などで活躍する「強い朝高」は、やはり民族の血を騒がせるようで、ことサッカーに対する同胞の応援ぶりは、ブラジル人か?と思わせる勢いだ。

 でも、ちょっと待って欲しい。部活といえばスポーツばかりではない。合唱部や吹奏楽部、舞踊部、美術部のような文化系クラブだって、日本のコンクールなどの地方大会レベルでは上位の常連校が少なくないのだ。こちらの方はといえば、あまり勝ち負けにはこだわらないが。

 スポーツにしろ文化系にしろ、ひとつの事にどれほど夢中になれるか、全身全霊を注いで打ち込むことができるか、その経験そのものが部活の大事な意義だと思う。私は合唱部のOGとして各校の合唱部を何度となく取材したが、いずれも技術面より精神面、人間性を鍛え、仲間との信頼を育み、「歌は心で」というモットーを重んじる気風が共通しており、その澄んだ歌声の中に受け継がれる「朝高魂」に度々涙したものだ。

 各地で学生数の減少が進む中、部活の運営も難しくなっている。サッカーにこだわらずそれぞれに適した部活を工夫してほしい。

 そういえば、初級部低学年の朝鮮民謡サークルというのがあるそうだ。ある家族は、ドライブの車中で「民謡しりとり」をするのだが、勝つのはいつもサークル所属の末っ子だという。「オンヘヤ―ヤンサンド―トラジ―チンドアリラン…」歌い継がれる民族の心。いいじゃないか。
(姜和石記者)

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