グローバル新風

グローバル通貨考


 南米のエクアドルは昨年4月、自国通貨スクレを廃止し米ドルに置き換える「ドル化」政策を実施した。

 世界の主軸通貨であるドルを自国通貨にして為替変動リスクを無くし、自国のハイパーインフレを抑え、経済を回復させる事が目的だ。

 その動きは他の中南米諸国にもあり、91年にはアルゼンチンが、今年からはエルサルバドルが自国通貨とドルの併用という「準ドル化」の道に進んでいる。これらの国々では街中の商店街やタクシーの支払いで、ドルが当たり前のように使われているとか。

 一方、欧州では「ユーロ化」が進む。

 九九年に登場した欧州統一通貨ユーロだが、現在12の参加国は来年、独自通貨を廃止しユーロを統合通貨として採用する事になっている。

 今後、ユーロ圏は中東欧へも拡大する事が予想されるのだが、そうなればユーロは5億人の規模の巨大市場をバックグラウンドに持つことになる。それにはユーロ圏以外の国々も注目しており、キューバやイラク、ベネズエラなどは、決済や外貨保有などで一部「ユーロ化」する旨を表明している。ユーロはドルに匹敵する信任を得始めている証拠だ。

 他方では、日本の円によるアジアの通貨統合(円化?)という動きもあったりする。

 しかしこちらは自国経済の不振もあってか、あまりうまく行ってないのが現状。しかしなんとか一定の影響力を残し、ドルとユーロに次ぐ主要通貨になろうと躍起だ。

 これからの世界通貨動向はドルとユーロもしくは円を交えた3つ巴の覇権争いになりそうだ。(李達英=朝・日輸出入商社)

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