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「『韓国併合』など大幅修正」――。5日付の日本各紙朝刊は、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導・執筆して、検定申請中の中学歴史教科書に137もの検定意見が付けられ、同会がそのすべてに応じて修正した、と報じた。これで、この教科書が検定に合格する可能性が高まった▼
日本の歴史教科書が、国際問題になったのは、今回で2回目。82年の教科書検定で、当時の文部省が、「侵略」を「進出」に、「弾圧」を「鎮圧」に改めるよう検定意見を出し、北南朝鮮をはじめアジア各国から厳しい非難を浴びた。そこで日本政府は、近隣諸国の友好親善に配慮するという条項を検定基準に盛り込んだ ▼当時は「ロン・ヤス」(レーガン米大統領と中曽根首相)の時代で、「不沈空母」とか「極東有事の研究」とか、日本は軍拡に突っ走っていた。で、今回はというと、日米防衛協力のための指針関連法案を一昨年に成立させるなど、右傾化がさらに進んでいる。同時に、「従軍慰安婦問題」など日本の責任を追及する国際的世論が高まった。「自虐史観」という言葉が出たのもこの頃だ ▼歴史家のA・トインビーは、「歴史の研究」という著書で、文明の栄枯盛衰について、文明が滅んだ基本的な原因は社会内部からの崩壊現象だと指摘している ▼「日本は子々孫々まで謝罪し続けることを運命づけられた罪人の如くにあつかわれてい」るから、新しい歴史教科書を作らなければならない、というのが「つくる会」の「主張」だが、果たして日本が、真しに謝罪したことがあるのだろうか。(元) |