新世紀へ民族教育をあるく
体感するリアル
チョゴリを引き裂くものは?
(東京朝高の演劇より)
一昨年度、いくつかの朝高で「チマチョゴリ事件」を題材にした学生演劇が創られた。劇中には「切り裂かれたチョゴリ」を着るシーンがあり、学生たちは、その衣装を作るため自らの手でチョゴリを切った。が、実際切っていくうちに、彼らはぼろぼろと泣き出してしまった。
この時、学生たちにチョゴリを切らせたのが、現在朝鮮大学校文学部教員の朴成徳さん(25)。同学部の研究員だった当時からたくさんの脚本や演出を手掛け、学校での演劇指導も手伝ってきた。 「チョゴリを着る(切る)というのがどういう事なのか?もう何百回も聞いているはずの言葉ですが、学生たちはホントにその意味を知っているのか…切ったらわかります。例えがあいまいですが、それが教育演劇だし、そういう演劇を教育に取り入れていきたいと考えています」 現代社会では、子供たちが本来自分や他人のからだを通して身につけていくはずの身体感覚を、容易に持ち難い環境が広がっている。朴教員は、物事をより「リアルに体感」できる演劇活動を、教育の場に生かしていく考えだ。 最近、学生演劇用の台本などを掲載したホームページ「ウリハッキョで学芸会をつくろう!」を立ち上げた。ここから過去の学生口演大会の優秀作品等を手軽に入手できる。「学芸会で劇をやりたいが、まず台本の創作が大変」という現場の先生たちの声に答えたものでもある。新学年度からは、より機能性を重視し「まったく違う形で充実させていく」という。次が楽しみだ。(姜和石記者) |