北南歴史学者共催の討論会、資料展示会
平       壌

民族共通の利益確認


「日本の植民地支配は不法」
北南歴史学者による討論会


 北南朝鮮の歴史学者が、民族の利益のため手を取り合った。3・1人民蜂起82周年を迎えた1日、北と南の歴史学者らが平壌で日帝の朝鮮占領の不法性に関する学者討論会と資料展示会を共同で開催。「韓日併合条約」をはじめとする旧条約がねつ造されたもので、日本の植民地支配が不法であったことを具体的な資料とともに実証した。また北南の歴史学者らはこの期間、歴史教科書に象徴される日本の歴史ねつ造を反対する声明も発表、今後も手を取り合い、日本に謝罪と補償を求めていくことを確認した。6・15共同宣言を履行する、もう1つの新しい第一歩を歴史学者らが踏み出したといえよう。【平壌支局】

                             
 北南学者討論会では、「資料を通じて見た日帝の朝鮮占領の不法性」、「日帝の犯罪的な朝鮮侵略と占領に対する歴史的考察」、「『韓日条約』と朝・日条約の展望」、「日本の朝鮮『併合』の不法性について」、「1904〜10年の期間に日本が強要した条約の不成立に関する検討」と題して、北の社会科学院のウォン・ジョンギュ・歴史研究所室長、鄭南用・法学研究所研究士、南の李鍾学・史芸研究所所長、姜萬吉・高麗大学名誉教授、アン・ビョンウク・カトリック大学校教授らが討論した。

 報告者たちは、朝鮮を植民地化した「乙巳五条約」「丁未七条約」「韓日併合条約」をはじめとする「協約」は、日帝が旧朝鮮政府を脅迫して結ばれたねつ造文書で、当時の国際法に照らしても不法である、と具体的な資料をもって暴露した。

 しかし、これらの「条約」について日本が、「適法」「有効」だったと侵略と占領を正当化し、その責任を回避しようと狡猾(こうかつ)に策動していることを指摘。「過去の犯罪を正当化する新しい犯罪行為だ」と断罪した。

 また、最近、日本で旧条約の不法性を立証する資料が収集された研究成果も報告された。

 姜萬吉・高麗大学名誉教授は、1965年の「韓日条約」で日本の植民地支配は清算されなかったと指摘、今後締結されるであろう、朝・日条約は、「日本帝国主義が朝鮮半島を40余年間強制占領した、厳然たる歴史的事実を明白にした条約になるべきだ」と主張した。この発言は、「統一後、日本との条約は1つにするべきで、韓日条約の問題点は朝・日条約を通じて克服されるべき」との立場から出発したものだ。

 また、鄭南用・社会科学院研究士は討論会で、「日本の謝罪と補償を獲得するのは、全民族の意志だ」と力強く語ったが、鄭研究士の発言に象徴されるように、会場は、過去の対立と不信から抜け出し、民族共通の利益をもたらそう、という学者たちの熱気に包まれていた。

 一方、北側の社会科学院歴史研究所と南側の史芸研究所の共催で開催(1〜6日、人民大学習堂)された北南共同資料展示会では、日帝が朝鮮を不法に植民地化したことを証明する当時の文献原本や記録資料など1400余点が公開された。「韓国併合始末」「日韓併合条約」「韓国併合に関する電報文」など、日本が現在まで極秘にしてきた貴重な文献も数多く展示された。

 6・15共同宣言後、日本に植民地支配の清算を求める運動は、新しい展開を見せている。昨年12月、東京で開かれた女性国際戦犯法廷で北南朝鮮の民間団体が共同起訴状を作成、南朝鮮国会には、朝・日修交を通じて旧条約の不法性を確認することを求める決議案が上程(昨年11月)された。

 おりしも、日本では史実をわい曲する歴史教科書が文部科学省の検定を通過しようとしている。北南の歴史学者はこれを非難する声明も発表したが、今後、こうした動きがさらに活発に行われるだろう。

 今回、討論会に参加した北と南の歴史学者は、それぞれ歴史学会の重鎮で、彼らが日本の朝鮮侵略について共同歩調をとった意義は大きい。

 朝鮮に対する日本の過去の清算は、朝鮮民族にとって必ずけじめをつけなければならない問題であり、同時に、統一問題を自主的に解決(6・15共同宣言第1項)する出発点にもなりうる。 

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