月末の本番へ熱気おびる練習
日校在学朝鮮人学生会の文化公演
今年は難度の高いチャンゴチュムにチャレンジ |
練習に励む日校生たち |
東京、愛知、京都、兵庫の各学生会が3月末に予定している文化公演。本番まであとわずかとあって、稽古にも自然と力が入る。稽古場を訪れると、公演をどうにかして成功させたいと、張りつめた緊迫した雰囲気がある一方、休息時間ともなると、笑いも飛び出す。京都、愛知の稽古場を訪ねた。
京都 緊張・不安でも楽しみ 京都学生会では、合唱や演劇、民族舞踊などの演目を披露する。 出演するのは、48人いるメンバーのうち、約20人。京都朝鮮歌舞団の歌唱・演技指導のもと、現在、本番に向けて一生懸命、練習に励んでいる。 取材した当日は、演劇の練習が行われていた。日本の学校に通い、朝鮮人であることを隠して生きてきた在日3世の青年が、学生会の存在や1世との触れ合いを通じて、民族の自我に目覚めていくというストーリーだ。 各人の時間がなかなか合わず、全員そろっての練習はまだ1度もできていないが、練習に参加しただれもが、台本を片手に真剣そのものだ。 この春、地元の日本の高校を卒業した権優順さん(18)は、昨年10月の学生会総会で副会長を引退するまで、1年間、学生会に携わってきた。公演の中心メンバーの1人でもある。 高校生活を締めくくるビッグイベント。昨年も演劇に出演したが、「経験があっても、役になりきるのは大変。恥ずかしさも多少あるかな」と照れる。「でも、不安と同時に楽しみもある。本番は精一杯、役を楽しみたい」と語る。 主役の1人に抜擢された金勇樹さん(15、中3)は、演劇のほかに男声独唱も披露する「大役」を任された。昨年も演劇に出演したが、今回はセリフが多いと不安がる。だが、練習を重ねるうちに、その不安も解消し、本番が近付くにつれ、早く舞台に立ちたいという思いのほうが増しているという。「公演を見て、1人でも多くの日校生が学生会に来てくれたら嬉しいです」 愛知 悔いのない、思い出の公演に 愛知学生会の文化公演は、今年で15回目を迎える。日校生12人と朝高生4人の計16人が、朝鮮舞踊や朝鮮の歌、チャンダンノリ、演劇などを披露する。 練習は、昨年のクリスマスパーティーをきっかけにスタート。朝鮮舞踊と歌は東海朝鮮歌舞団の指導を受けながら、チャンダンノリは朝高生の指導のもと、練習を重ねている。 とくに朝鮮舞踊は、女性たちの意欲が強く、昨年披露した難度の高いチェンガンチュムの経験を生かして、さらに難度の高いチャンゴチュムにチャレンジする。 本番まであとわずか。3月からはそれまで週2回だった練習を週4回に増やし、24日には11日に続いて2度目の合宿練習を行う。 学生会会員の張晴華さん(高3)は、「チャンゴチュムは慣れるまで大変だったが、歌舞団オンニの丁寧な指導で、技術も高まった。思い出に残る公演にしたい」と語る。 また、学生会役員の金将秀さん(高2)は、「練習を精いっぱいして悔いのない公演にし、その成果をもって来年の学生会活動を盛り上げていきたい」と言う。 朝高生の厳勝馬さん(高2)は、「みんなの気持ちを1つにして心のこもった公演にしたい」と述べていた。 |