オンマの家計簿Q&A
パートで働く際の留意点は?
税金、社会保険の仕組み理解を
Q現在30歳の専業主婦です。サラリーマンの夫との間に子供が2人います。4月から下の子も小学生になるので、パートタイマーとして働きに出ようと思っています。
しかし、パート経験がある友人から、「働き方によっては損をする」と言われました。本当にそんなことがあるのですか? もしあるとしたら、どんなことに気をつければ良いのですか? A卒業、入学シーズンを迎えるこの時期は、1年のうちで最もパートタイマーとして働き出す人が多い時期です。「子供がすべて学校に入学して、親の手を離れた」、「卒業式が終わって一段落したので、またパートで働きたい」などなど、理由は様々です。 しかし、妻が働いて収入を得るようになると、収入の金額によっては税金や社会保険などの支出が増え、夫の給料が減る場合もあります。 まず税金の問題です。妻自身のパート収入に対して所得税と住民税が課税される場合があります。 その年の1月から12月までの妻のパート収入の合計が100万円以下ならば良いのですが、100万円を超えると超えた額に対して住民税が、また103万円を超えると超えた額に対して所得税も課税されることになります。 そして夫の税金にも影響を与える場合があります。夫の合計所得が1000万円(給与収入で約1231万円)を超えない場合、その所得について配偶者控除と配偶者特別控除が受けられます。 例えば、妻のパート収入が70万円未満の場合、夫の所得から76万円の配偶者控除と配偶者特別控除を受けることができます。しかし、これらの控除は妻のパート収入が増えると段階的に減っていき、妻のパート収入が141万円以上になると控除を受けることはできなくなります。 妻のパート収入が増えることによって、今まで夫の所得から控除されていた配偶者控除や配偶者特別控除の額が少なくなり、税金の対象となる所得(課税所得)が増え、結果的に夫の税金が増えることになります。 次に社会保険の問題です。基本的に夫がサラリーマンの場合、妻は夫の被扶養家族として夫の健康保険に加入しています。 現在の健康保険制度では、夫の被扶養家族となっている妻は健康保険料や介護保険料、年金保険料などの保険料を一切負担していません。 しかし、妻の収入が130万円(妻の年齢が60歳以上の場合は180万円)以上になると、原則として夫の被扶養家族から外れなければならないので、妻自身が勤め先の健康保険に、勤め先が健康保険に加入していない場合は住所地の市区町村役場で国民健康保険に加入して、自分の各種保険料を負担することになります。 この場合、妻自身が健康保険などに加入して各種保険料を負担することになっても、夫の健康保険料などの負担額は変わらないので、家計における健康保険料などの負担額は増えることになります。 また、夫の勤務先の給料規定などによりますが、毎月の給料に家族手当などの明細で手当をつけている会社もあります。このような手当は、妻のパート収入の金額によっては支給しないとしている会社が多いようです。 夫の給料に毎月2万円の家族手当が支給されているとすると、1年で24万円の収入が、妻のパート収入の金額によっては支給されなくなる場合もあります。このようなことがないように、パートタイマーとして働き出す前に夫の会社の給料規定などを確認しておきましょう。 以上のような税金や社会保険、そして夫の給料規定などの仕組みを理解して、ご自分にとっていくらぐらいのパート収入を得る働き方が良いかに気をつけて働きに出てください。 |