投稿
――詩
手紙
北と南を 自由に飛び交う 鳥たちを見つめて 溜息ばかりついていた 離散家族が 長い間願いつづけた 書信交換が ついに実現した たまらなく恋しく会いたくて 胸を焦がした肉親の 熱い思いがたっぷりと 含まれた手紙を手にしただけで 離散家族は 胸をつまらせ 限りなく涙を落とす いつも夢に見た なつかしい故郷や 忘れられない父母きょうだいの 消息に触れ 感激の涙に濡れた手紙を 胸にしっかりと抱きしめる 長く、固く 凍りついていた 統一の大門は ついに開け放たれ 北と南の同胞が その門をくぐり 自由に行き交う その日は もう 遠くない 金忠亀(大阪在住、65) |