目標は世界レベル

平壌紡織機械工場の「技術学習」


  【平壌発=金志永、李鉉民記者】  平壌紡織機械工場で毎週木曜日の夕方に開かれる「技術学習」。生産技術向上のための学びの場だ。技術者と研究者らが講師を担当している。定時になるや、ノートを持ち寄った労働者が次々と教室に集まってきた。

 「最近『技術学習』に参加する若い同僚の熱意がすごいんです」と工具担当の労働者・チョン・ホヨンさん(28)。

 「従来は技術革新といえば資材を節約し、生産効率を相対的に高めるものだったが、今は違う。世界レベルに達することを目標にしている」。工具職場の職場長を務めるチョン・チョルファンさん(38)の言葉に熱がこもる。

 同工場では、年初めの共同社説に示された「今年を経済強国の新しい進撃の年に輝かせよう」とのスローガンを受け、技術革新のための対策を立てた。すべての技術者が技術革新の「種」を探し、それを分期ごとに検証するシステムがそれだ。「技術学習」もその一環だという。

 工場ではここ数年、輸入に頼ってきた毛織機の付属品を自力で生産することに力を注いできた。付属品生産が可能となった今、その強度を高めることが課題となっている。

 この日は、技術科のキム・チョロさん(38)が昨年11月から進めてきた研究成果を発表。付属品破損の原因が、鋼鉄生産過程における熱処理法にある点に注目、その対処法を提示した。「来月からこの方法を導入しようと思います、妥当かどうか生産現場で検証してください」。

 一時間におよぶ講義では活発な質疑応答が行われた。キムさんは、その足で技術科の建物へ向かった。研究を続けるのだ。

 「技術学習」の講師を担当するソン・スンジン技師(53)も、「私も大卒のベテランですが、現代科学のすう勢に合わせて、技術革新の『種』を発見するためには、若手よりがんばらねば」と意気込む。

 世界を目指す熱心な探求が続く。

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