横浜市大、遺伝子解析結果を無断発表
遺伝子解析の分野で世界的レベルにある理化学研究所(理研)と共同で大腸がんの遺伝子研究を進めている横浜市立大医学部第2外科の研究グループが昨年春、手術で切除された大腸の一部を患者に無断で摂取して遺伝子を解析、その結果を秋の日本がん学会で発表していたことが朝日新聞社の調べで明らかになった。
遺伝子情報は、本人や血縁者の病気の可能性も含む最も高度な個人情報で、研究には患者の同意を得る手続きや情報管理に厳格な取り扱いが求められる。文部科学省は理研、横浜市大双方から事情聴取を始めた。(朝日新聞3月28日付)
血液製剤納入の医療機関名公表
非加熱の濃縮血液製剤が血友病でない患者に投与され肝炎に感染した問題で、厚生労働省は28日、感染の恐れがある製剤を納入したとされる803の医療機関名を公表した。1972〜88年にこれらの病院に入院し、手術や出産で大量出血したり、新生児出血症の治療を受けたりした人に対してこれらの医療機関を7月末までに訪れて肝炎検査を受けるよう呼びかける。検査料は無料。一覧をインターネットや都道府県、保健所で閲覧できる。(朝日新聞3月29日付)
「骨セメント」がショック死などの原因に?
股関節の大たい骨の上部を骨折し、人工関節を入れる手術の際に接着剤としてアクリル製樹脂の「骨セメント」を使用した際、血圧低下やショックで死亡する例が1998年から計20人に上ることが30日、分かった。いずれも70〜90代の高齢者で大半は女性。さらに87〜97年にも同様の理由などによる死者が計17人いた。厚生労働省は医薬品・医療用具など安全性情報を出し、緊急対応のできる麻酔医と執刀医がきちんと連携して手術に当たるよう、医療関係者に注意を呼びかけている。(毎日新聞3月30日付)
ハンセン病療養所でC型肝炎感染まん延
全国各地の国立ハンセン病療養所の中でC型肝炎ウィルスに感染した患者が、多い所で入所者全体の6割に上ることが6日、療養所の医師らの調査で分かった。医師らによると、平均でも3割はいるという。過去に所内で使い回された注射器の消毒不足などが原因とみられ、らい予防法(1996年廃止)で隔離され、閉ざされた状況の中で治療が行われたことが感染をまん延させた可能性が高い。厚生労働省は実情を知りながら、抜本的な対策を取ってこなかった。(毎日新聞7日付)
千葉県の報告遅れでO―157感染者多発?
千葉県を中心とした7都県で病原性大腸菌O―157の感染者が多発している問題で、千葉県が滝沢ハム栃木工場製造の「牛タタキ」の加工製品から先月30日に菌を検出しながら、今月2日まで、厚生労働省に報告せず、食品衛生法に基づく回収命令も出していなかったことが6日、わかった。
報告の遅れで、被害が拡大した可能性もあり、同省は「速やかに公表して広く消費者に注意を呼びかけるべきだった」と、県の対応を批判している。(読売新聞7日付) |