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「コリア」卓球統一チームとは?

91年に分断史上初めて実現/総聯・民団が応援


女子団体で優勝。金メダルを胸にともに
表彰台に立つメンバー(九一年)


  「コリア」卓球統一チームを総聯・民団共同で応援したと聞きますが。

  「コリア」卓球統一チームとは、高位(総理)級会談や統一サッカー競技が行われ、北南の和解ムードが高揚していた1991年、第41回世界卓球選手権大会(千葉)に向け分断史上初めて誕生した統一チームのことです。このビッグニュースを受け、総聯は民団に対し、統一チームを共同で歓迎し応援することを提起。民団がこれに応じ、共同歓迎・応援が実現します。

 双方のオモニたちが共同で漬けた「統一キムチ」を差し入れたり、共同歓迎パーティーを催すなど、同胞が1つになって選手団を歓迎しました。

 大会開幕当日、会場には「共和国旗」と「太極旗」に分かれた姿はもうなく、白地に青の朝鮮半島が描かれた「統一旗」だけが客席を埋め尽くしていました。大会では、「ガンバレ! コリア!」の声援に励まされた統一チームが女子団体で強豪中国を破り見事優勝。共同応援団は涙にむせびながら「アリラン」と「われらの願い」を歌い、「祖国統一!」を連呼しました。在日同胞の中で統一がリアリティーをもって実感された瞬間でした。

 総聯と民団の共同行事はすでに、4.19人民蜂起(60年)によって李承晩政権が打倒され、祖国統一の気運が高まっていた61年から実現しています。この時は、言論人たちの懇親会や文化人による「合同文化祭」などが行われました。

 祖国統一3大原則を打ち出した7.4北南共同声明発表直後(72年)も、声明を支持する共同集会が2ヵ月の間に330ヵ所で開かれています。

 おりしも昨年6.15北南共同宣言調印以降、日本各地で総聯と民団などによる在日同胞の共同イベントが催されています。互いに違いを乗り越え、民族大団結していく地道でたゆみない努力こそが、統一の大門を開いていく近道となることでしょう。
(金大遠、研究家)

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