ニュースの眼
「日帝蛮行究明特別法」 4団体が国会へ提出
教科書問題への抗議拡散及び腰の当局非難の意味も
3.1独立運動犠牲者追悼会で日本の歴史わい曲教科書抗議する南朝鮮市民(6日、蔚山) |
日本の歴史わい曲教科書に抗議する運動を日本の市民団体と共同で行うと発表する南朝鮮「日本の歴史教科書改悪阻止うんおうd本部代表ら(3日、ソウル) |
南朝鮮で高まる反日気運 南朝鮮の超党派議員と市民団体が15日、かつての日本の犯罪糾明を求める特別立法案を、開会中の臨時国会に提出すると発表した。同様の法案は、これまでにも与野党の少壮派議員を中心に提出されたことがあるが、成立までには至らなかった。今回は、日本の教科書の歴史わい曲に対する抗議が拡散する中での立法推進だけに、その行方が注目される。強制連行の真相調査 「日帝下強制動員被害真相究明に関する特別法」と題する同法案は、大統領直属の機関として委員会を設置し、軍人、軍属、労務者、慰安婦など日本のかつての強制連行犯罪の真相究明と被害者の慰霊、被害者および遺族の生活支援などを内容としている。 特別法制定を推進しているのは、ハンナラ党の金元雄議員ら与野党議員12人で構成する「国と文化を考える議員の集い」と挺身隊問題対策協議会、民族問題研究所など4つの政治、市民団体。日本の歴史わい曲教科書に対する政府の及び腰的態度を非難する意味も含まれているという。 一応 というのは、根本的な問題である植民地支配の合法性について「条約にしたがったもので当時は合法だった」(日本)、「条約そのものが無効」(南朝鮮)と、異なる解釈を示しており、また、「韓日条約」によって、「個人の請求問題も解決」(日本)、「個人の請求問題は別」(南朝鮮)との態度をとっているからだ。 しかし、こうした解釈の違いについて、南朝鮮当局が、日本側に厳重に抗議した痕跡はない。 さらに、金大中大統領は、 98年10月の訪日時に「21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」をうたいあげ、過去の問題に「大きな区切り」を付けた。 今回の歴史わい曲教科書についても南朝鮮当局は、強硬に対応すると表明しているが、召還した駐日大使を帰任させるなど、及び腰の態度を示している。 こうした南朝鮮当局の姿勢が、日本の植民地支配から半世紀以上経過したにもかかわらず、「日帝時代に我が国から160万人以上が強制的に連行されたが、最小限の資料整理すら行われていない」(民族問題研究所)という事態を招いているのだ。 というのは、先にも触れたように南朝鮮が日本からの経済援助に頼っているという事実があるからだ。 金大中大統領の98年の訪日も、破綻状態にあった経済への支援取りつけが目的だったと言われており、その構造は現在も変わっていない。日本が南朝鮮への有形無形の経済支援を止めれば、南朝鮮経済は、さらに深刻な事態に陥るだろう。 したがって、大半の議員が法案の趣旨に賛同しても、それを実際に成立させるかどうかは、別問題になる。最終的には、政府方針に従うと思われる。 しかし、教科書の歴史わい曲を契機に、南朝鮮で反日運動が高まっているのも事実で、政府がこうした世論を無視するわけにもいかない。 とくに、単独では最大の議員数を持つ野党ハンナラ党が、政府攻撃の一環として教科書問題に取り組んでいることから、可能性は低いが同党がこの法案成立に全面協力した場合、法案が成立することもありうるだろう。(元英哲記者) |