くらしの周辺

懐かしの音楽


 何気なくCDショップをのぞいていたら、フォークの神様と言われた日本の歌手の2枚組みCDが目に留まった。目に留まっただけでなく手にとると、手にとっただけではすまず、ついふらふらと4000円近くも出して買ってしまった。家に帰って「友よ」「手紙」といった曲を聴くと、純粋に懐かしさが込み上げてくる。同時に、このような歌が若者に受け入れられていた社会的風土が日本にあったのだということを思い出し感慨深かった。

 この10年ほど同胞青年によるバンド活動が盛んになっている。朝鮮の曲をロックにアレンジして楽しんでいるようである。前から気になっていて、先日、そのライブを観る機会があった。何組かのバンドが出演したが民族の音楽を自分たちなりに吸収して自分たちのからだで表現しようとする姿に一種の感動すら覚えた。バンドだけでなくチャンゴを叩き農楽を踊るなどそれぞれのやり方で民族の音楽を楽しむ10代、20代の同胞青年が最近増えているようだ。

 日本のフォーク歌手を懐かしむ以上に、同胞が集まれば必ず祖国の歌をうたい踊って楽しんだ昔のことを懐かしく思う。同胞が集まってもカラオケで日本の歌をうたいすませる風潮に寂しさを覚えることが多かった。しかし同胞青年のライブを観ていて、祖国の音楽を一番忘れているのは40代、50代の中年世代(特に男性)ではないかと思わざるをえなかった。とりあえず、お風呂の中で覚えている祖国の歌をうたってみようと思う。(徹)

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