新世紀へ−民族教育を歩く
影の主役たち
民族教育を語る時、忘れてはならない影の主役たちがいる。「オモニ(母親)会」だ。
オモニ会は、ウリハッキョの自主的な後援団体。学校運営に役立てようと、バザーを企画したり、手作りキムチの販売もする。ある時は給食のおばさんに、親善大使に、子ども劇場のプロデューサーにとその役割は多岐にわたる。 公的補助などで差別を受けているウリハッキョの処遇改善運動でも、大きな力を発揮している。「阪神大震災」で使用不能となった校舎の1室で車座になり「県知事や市長、マスコミあてに毎日手紙を書いている」と涙ながらに語っていた伊丹初級のオモニたちは、その後、25年にわたり放置されてきた学校の空港騒音問題を解決へ導いた。朝鮮学校への公的補助についてまとめた自作の資料集を、誇らしげに見せてくれた東京第1初中のオモニたちは「初めは1条校って言葉、初めて聞く なんてオモニがほとんどだった」と笑っていた。 愛知中高オモニ会では、昨年度、県に対し私立高等学校授業料軽減補助制度の適用を要請するにあたり、全家庭の所得並びに教育費の月平均負担額を独自調査し、全国の朝高の基本運営費および寄宿舎費と日本の県立高等学校の学費の比較資料などをまとめた。朴秀子会長は「1段ずつ階段を上るように、前進しています」と静かに語った。 汗を流して働き、心で語ることを信条とする。しかし、理論武装も怠らない。心も、体も、頭もフルに使う。それが彼女たちの活動スタイルだ。(姜和石記者) |