出会い−民族結婚・・・同胞結婚相談所がサポート(8)

居住条件よりも民族が第一

同じ理想の実現へ

東北の男性と中部の女性 金、朴さん夫妻の場合


 「東北地方は寒くて雪も多く、嫁ぎ先にはちょっと」と、東北の男性との見合い、結婚をちゅうちょする都会の女性は少なくない。しかし、中部地方出身の朴真子さん(28、仮名)は、居住条件よりも人生設計や理想を共感し合える「民族結婚」を第一に考え、東北に住む金健一さん(30、仮名)との約1年半にわたる遠距離交際を経て、昨年秋に結婚、東北に嫁いだ。

 2人は共に朝鮮籍で、2年前の春、自らの意志で結婚相談所に入会した。

 金さんは日本学校の卒業生で母国語をまったく話せず、地域柄、同胞との接触もまったくなかった。こうした場合、一般的には日本の女性との結婚を考えがちだが、金さんは長男ということから「民族の血は守っていかなければ」と、民族結婚を望んでいた。

 一方朴さんは朝高卒業後、キャリアウーマンをめざし日本の企業に就職した。だが26歳の時、同級生がつぎつぎと結婚していくのをみて、そろそろ「自分も」とふと思ったという。だが、社内は朴さん以外すべて日本人。そのため同胞との出逢いを求めて相談所に入会した。

 2人を結んだのは全国をオンラインで結んだマッチングシステム。東北、中部センターを通じて互いの意志を確認した。

 礼儀正しく相手を尊重する金さん、誠実で朝鮮女性らしい朴さん――互いが興味を抱いたことからすぐに見合いへと進んだ。そして、「合理的でいながら精神力が強く、将来に対する考えをしっかり持っている」と共通点を探し出した2人は、交際へと発展させた。

 遠距離交際だけに電話でのやり取りが主になったが、朴さんの地元や東京でデートするなど、金さんのこまめで積極的なアプローチが続いた。しかし、問題が起きた。朴さんの両親が2人の交際にストップをかけようとしたのだ。

 「東北まであえて行く必要があるのか」と、これまで大切に育ててきた娘を、遠くに手放したくはないという思いが両親に強かった。しかし、「人生プランに対する同じ理想を抱いた同胞同士、明るい家庭を築きたい」という朴さんの考え方、熱意に両親も理解を示し、2人は晴れてゴールインした。

 金さんは、子どもは必ず朝鮮学校に送り、自分の分も含め民族の心を養ってほしいと語っていた。

 入会・資料請求などの問い合わせ=同胞結婚相談中央センター(TEL 03・3818・7001)および地方センター、各相談所。ホームページ=http://www.kyoron.net 

各地の相談所から/東北

金鳳植(66)同胞結婚相談東北センター所長

 東北にはすばらしい青年が多数います。関東や近畿などに住む女性も、東北に嫁ぐと思うのではなく、そのすばらしい青年のところに嫁ぐと認識してください。今年は2回以上、イベントを開く予定なので、非会員の方も参加してみてください。同胞結婚相談東北センター=TEL 024・922・5652 

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