第1回セセデコンサート 東京・サントリーホール
民族の誇り胸に飛躍を
4人の音楽家 観客を引き込む演奏
ゲスト出演した朴順愛さん |
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朝鮮民族の誇りを胸に、若い同胞音楽家が本名で活躍する場を提供し、才能豊かな人材を発掘、育成しようと第1回セセデ(新しい世代)コンサートが4月27日、東京・港区のサントリーホールで開かれた。
コンサートには、テレビ出演など活躍の場を広げているバイオリニストの趙洙岩さん(24)と申愛聖さん(25)、第8回在日本朝鮮学校ピアノコンクールで金賞を受賞した、北九州朝鮮初中級学校3年の許玲和さん、そして、ドイツを拠点に数々の国際舞台に立つピアニスト、朴順愛さん(36)がゲスト出演した。 出演者の中で最年少の許さんは、バッハとショパンの曲をそれぞれ力強いタッチで弾きこなした。 趙さんは、ドビュッシーのソナタなど2曲を披露。小躍りするような軽快な旋律と伸びやかな高音で、聴衆を魅了した。申さんは、金吉学氏の「故郷への道」を披露。1世同胞が心に刻む「ふるさと」を、3世の立場で思い描きながら弾いてみたかったという。 ゲストの朴さんは、自身が最も尊敬する尹伊桑氏の曲などを演奏。熟練したその腕に会場は圧倒された。 この日、会場を訪れた金剛山歌劇団の舞踊家、崔恩和さん(24)は「これを機にクラシック界でも3、4世同胞がより多く活躍できれば」と期待を寄せた。(文・李賢順、李明花、写真・姜鐘錫記者) ◇ ◇ コンサートは今後毎年開催され、現在第2回出演者を募集中。来年3月24日まで。問い合わせ=K.A.C(TEL 03・3376・3218) 画期的なコンサート/バイオリン 趙洙岩 4歳から始めた。コンサート開催は、とても画期的なことだと思う。かねてから在日コリアンの発表の場が少ないことを残念に思っていた。同胞社会には、歌劇団や歌舞団があり、朝鮮舞踊や民族楽器の発表の場はあるが、クラシックの場合その場が極端に少ない。 現在、同胞の子どもを中心にバイオリンを教えているが、これを出発点にして、クラシックに携わる子どもたちにより多くの活動の場を与えてあげたい。 同胞同士、貴重な体験/バイオリン 申愛聖 6歳から本格的に始めた。それまではピアノと両立させていたが、どちらかにしぼったほうがいいと両親から言われ、なんとなく選択した。 民族教育を受けたことのない私にとって、同胞同士で同じ舞台に立ったこと自体が貴重な体験となった。 今後はクラッシクに限らずタンゴやポピュラーな曲など違ったジャンルにも挑戦したい。また、今回の出演者との出会いを大切にし、同胞だけの室内楽も行っていきたいと思っている。 レベルアップにつながる/ピアノ 許玲和 5歳から始めた。いつも学校帰りの1時間、夕食後の2時間を練習に費やしている。今回は1時間程、練習量を増やした。サントリーホールで演奏すると聞いた時は、とても驚いた。何度か東京のコンクールに出場したことはあるが、このようなリサイタルは初めてだからだ。今日は九州からハルモニ(祖母)、ウェハルモニ(外祖母)、アボジ、オモニが見に来てくれたので、心強かった。このような機会が増えれば、ウリハッキョの友達の中にもライバルが増えて、レベルアップにつながると思う。 |