大阪府商工会 「食博」にブース

「コリアンタウン」大盛況

関西同胞経済活性化の一助に


地元同胞が焼くチヂミの香りは多くの人を引きつけた

「本格的な造形」を心掛けたというコリアンタウンの入り口「統一門」

朝鮮歌舞団も場内を回り、雰囲気を盛り上げた

 大阪市住之江区のインテックス大阪で4月27日から5月6日まで催された「2001食博覧会・大阪」(以下・食博、主催=同実行委員会、大阪21世紀協会、大阪外食産業協会)に、大阪府商工会が大阪韓国商工会議所(大阪韓商)との共催で、初めてブースを出展した。5つある区画の1つ「世界味わい交流館」の中に設けられた「コリアンタウン―ウリナラ(わが国)8道江山味紀行」。朝鮮の「本場の味」を求める多くの同胞や日本人が詰めかけ、連日の大盛況となった。

平壌冷麺、特産品販売、民族舞踊
朝鮮の味と文化アピール

北南会談パネル展も

 食博は「日本国内外の食文化の向上」を目的に、1985年から4年に1度、大阪で催されている食の総合イベントだ。

 5回目の今回は「宴(うたげ)新世紀」と題し、世界、日本、関西の3ブロック、5つのゾーンで、食材の展示販売、料理の実演と試食、各国の食文化の紹介が行われた。コリアンタウンもその1つだ。300余の企業と団体が参加、50余万人が訪れた。

 府商工会が実行委から、大阪韓商を通じて参加の打診を受けたのは昨年7月中旬。コリアンタウンを「世界味わい交流館」の目玉にしたいとのことだった。

 朝鮮民族の食文化に触れてもらうことで、朝・日の友好機運を高めたい――。府商工会はこれを快諾、大阪韓商と共同で事務局を設けて準備会議を繰り返し、実現に至った。

 「コリアンタウンというアピールの場を持つことで、統一運動にも拍車をかけたい」(金充夫・府商工会副理事長)との思いから、昨年6月の北南首脳会談の様子を収めたパネル展を設けた。また、北の平壌焼酎と南の真露を、北の金剛山の湧き水と南の漢拏山の湧き水で割った「統一カクテル」もふるまった。

「売れすぎ」嬉しい悲鳴

 コリアンタウンは、朝鮮の料理や特産物の販売、民族文化の紹介など、31のコーナーからなる。

 李朝時代の山城をイメージした「統一門」をくぐると、唐辛子やゴマ油など、朝鮮料理に用いられる調味料の、独特の香りが漂う。「ウリナラ八道江山味紀行」の副題が示すように、朝鮮各地の特産物や民芸品も多く出品された。

 中でも注目を集めたのが、海陽薬業株式会社(東京・上野)が出品した平壌冷麺だ。 「さすがに本場の冷麺。売れ過ぎですよ」。冷麺販売の現場責任者、姜尚彦さん(51)は嬉しい悲鳴を上げた。「初日には材料が足りず、午後3時には完売した。翌日からは十分な数の材料を準備した。1日に900食さばけました」。

 朝鮮の酒類やコチュジャン(赤唐辛子味噌)などの特産物も人気を集めた。府商工会役員が2月末に朝鮮を訪れ、直接交渉して搬入したものだ。

 販売員の許徳樹さん(30)は「朝鮮のビールやワインなど、日本では見かけないものが多く、商品に関する質問も多かった」。

「コリアンデー」に人波

 コリアンタウンのもう1つの目玉が、4月30日の「コリアンデー」。会場内の特設メインステージで大阪、京都、兵庫の関西3府県の朝鮮歌舞団の公演や、同胞イリュージョニスト安聖友さんによるショーが行われた。

 準備された1200席はすぐに埋まり、立ち見も続出の大盛況ぶり。朝鮮の華麗な歌と踊り、安さんの多彩なマジックの数々が観客を魅了した。歌舞団はイベント終了後、コリアンタウンに出向き、農楽の踊りで雰囲気を盛り上げた。

 食博のプロデューサー、林洋司さんは、「このステージで多くのイベントが行われてきたが、これだけの観客を集めたのは驚いた。朝鮮の文化に触れる機会に乏しい日本の人たちの注目度が高かったためと思う」と感想を述べた。

 実行委員の1人である金副理事長も、行事の成功を「同胞はもちろん、多くの日本の人たちが訪れてくれ、長きにわたり、ち密に準備してきたかいがあった」と喜び、これを機に、関西の同胞経済の活性化を図り、とくに同胞飲食業者の経営にいっそう寄与する決意を新たにしていた。(姜イルク記者)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事