大阪朝鮮歌舞団創団35周年記念公演

「同胞がいて歌舞団あり」/OB、OGも出演、同胞も舞台へ


 大阪朝鮮歌舞団(趙正心団長)創団35五周年記念公演「異国の空の下で統一チュムパン(音頭)!」が4月27日、大阪市の森ノ宮ピロティ―ホールで開催され、1200余人の観客が詰めかけた。

 公演は、コンピューターグラフィックを駆使し、同歌舞団の歩みを収録したビデオ上映から始まった。

 出演者は、現職団員11人と、OB、OG41人の総勢52人。舞台では、出演者全員による合唱と舞踊「異国の空の下で」をはじめ、OB、OGの各重唱、現役団員によるカヤグムと打楽器演奏、歴代の舞踊家たちによる「農楽舞」など、これまでの公演で各地の同胞から好評を得てきた演目の数々が披露された。

 なかでも、日本で暮らしながらもウリマル(朝鮮語)を守り、民族の心を育んでいかなければならないという思いを、笑いを通して強くアピールした漫談と寸劇は好評だった。

 華やかな踊りで締めくくられたフィナーレで「統一祝杯歌」が流れると、客席にいた同胞たちも舞台に上がり、出演者に入り混じって軽快な踊りを披露した。

 兵庫・尼崎朝鮮初中級学校3年の千裕貴さん(14)は、「歌舞団のメンバーと一緒に舞台で踊りたいと思った。学校で朝鮮舞踊をならっているが、歌舞団の舞踊家のように上手に踊れるよう、いっそう練習にはげみたい」と語った。

 また、堺市在住の大学院生・具紅敏さん(30)は、「異国の地でも、朝鮮民族として立派に生きる同胞の力強さを感じた」と感想を述べた。

 今回の創団記念公演は、同胞たちの要望により10年ぶりに行われたもの。団員らは企画、演出、構成、脚本などの創作や財政工面など、公演準備に約1年半を費やした。

 趙団長は、「準備過程には困難なこともあったが、この間、団員らそれぞれが歌舞団の一員としての誇りをいっそう深く胸に刻み、同胞がいて歌舞団があり、今後もそれに変わりはないということを確信した」と感慨深げに語っていた。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事