春・夏・秋・冬 |
小泉新内閣、いや小泉首相に対する日本世論の支持率は、80%という前代未聞の水準に達している。識者のなかには「異常」だと言い切る評論家もいる。出口の見えない構造不況に苦しむ世論が、「何かはわからないが、何かを変えてくれるだろう」と、藁をもすがる気持ちで期待感を寄せているという指摘が多い
▼「永田町出身」のある政治評論家は、「小泉ブーム」を「観衆が熱狂し、小泉もそれにこたえる。ちょっと1930年代ドイツのヒトラーの進撃を思わせますね」と指摘する。メディア批評誌「創」の篠田編集長も「社会が閉塞(へいそく)状態で、国民がそれを打ち破ってくれる強いリーダーを待望する。石原都知事人気も背景は同じだろうが、この風潮、どうにもアブナイ気がしてならない」 ▼事実、小泉首相は8月15日、侵略戦争敗戦日の「靖国神社参拝」を公言。憲法改正=日本軍隊(自衛隊)の海外派兵を合法化する集団自衛権への参加も口にしている。それをバックアップする有事(戦争)法制は、森前政権時代に着手表明が行われている。石原都知事に至っては「三国人発言」に象徴されるように、外国人排斥の姿勢は明白である ▼「大日本帝国」復活をめざすかのような社会の流れ、侵略の過去をめくらましのような姑息な手法で正当化した「作る会」の中学歴史教科書の検定合格。これに加えて今月中に与党三党から国会に提出されるという、日本人並の権利が欲しければ日本人になれという「国籍法改正」法案 ▼本当に日本は怖い国になりつつある。(彦) |