「歴史の窓」

朝鮮からの移住民の神話

天日矛(あめのひぼこ)神話


 「昔、新羅の国の阿具(あぐ)沼のほとりでひとりの乙女が昼寝をしていると日の光が虹のように照らした。その時から乙女は子を娠み、やがて赤い玉を生んだ。新羅の王子、天日矛がその赤い玉を得て、床の間に置いておいたところ、その玉は美しい乙女になった。天日矛がこの乙女を妻とした。しかし、乙女は小舟に乗って日本に渡り、難波(なにわ、現在の大阪)に留まった。今、姫許曽(ひめこそ)の社に祭られている阿加流(あかる)姫がこれである。一方、日矛は妻を追ってきたが、難波に入ることができず、但馬国(兵庫県の北方)に留まり、その地の神となった」。

 大阪市内に、この神話に関わる神社が4社もあり、天日矛を祭る神社は兵庫県出石(いずし)町に出石神社として鎮座し、その周辺に関係する神社が10社以上も点在する。この神話は、朝鮮に一般的な、感精・卵生型神話である。

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