出会い−民族結婚・・・同胞結婚相談所がサポート(9)

民族の一員として

結婚機に新たなスタート

日本国籍と朝鮮籍、李、朴さん夫妻の場合


 昨年夏、東北地方で1つの感動的な結婚式が挙げられた。南部に住む李栄達さん(30)と北部に住む朴久美さん(28、いずれも仮名)の式だ。李さんは日本学校出身で日本国籍を持つ。一方の朴さんは、朝鮮高級学校を卒業した「バリバリの朝鮮女性」。朝鮮籍だ。

 李さんは、自分が朝鮮にルーツがあることを隠して育ち、日本人のように振る舞って生活していた。それだけに当然、「日本人」として、日本式での結婚式を行うものと誰もが疑わなかった。だが実際は、色鮮やかな民族衣装をまとった新婦を伴い、大勢の同胞の祝福を受けて式を挙げた。

 育った環境がまったく異なるそんな2人の出逢いは、結婚1年前の夏、1泊2日で行われた「出逢いのパーティーin岩手」。相談所など地域同胞らに誘われ参加するようになった。

◇                   ◇

 パーティーには、2人を含む東北在住の36歳までの男女が多数参加した。小岩井農場の見学、そば打ちペアー体験などのイベントが主に盛り込まれた。自然のなかで互いを知る空間を多く設けるというのが主催者側の意図だった。そんな思いが通じてか、多くのペアーが自然のなかで、夜遅くまで思いを語り合った。バスの無料送迎など利用施設の協力のなか、多くのカップルが誕生した。

◇                   ◇

 李さんたちもカップルとなり、その後交際へと進んだ。しかし、2人の前には複雑な問題が持ち上がった。祖父の代から日本国籍になった李さんとの交際を、朴さんの両親が猛反対したからだ。

 それでも朴さん本人は、「国籍は日本だが、朝鮮民族の一員として生きていきたい」という李さんの言葉を信じた。だが、朴さんの両親は、結婚後「気が変わるのでは」という不安感をぬぐいきれずにいた。2人の結婚も一時は危ぶまれた。しかし、パーティー出席後、青商会に顔を出すようになり、朴さんを日本の仲間に堂々と紹介する李さんの姿に、両親もおれた。2人は晴れてゴールイン。結婚を機に、民族の一員としてスタート地点に立った李さんだった。(羅基哲記者)

 入会・資料請求などの問い合わせ=同胞結婚相談中央センター(TEL  03・3818・7001)および地方センター、各相談所。ホームページ=http://www.kyoron.net

各地の相談所から/兵庫

季鍾石(53)兵庫同胞結婚相談所所長

 3月に開催した2回目の「ブライダルフェア」には、多くの同胞青年が参加し、民族結婚の重要性を切実に実感したようです。

 この勢いにのって私たちは今年、「チョンシル・ホンシル」ネットワーク入会者を五百人増やすつもりです。(兵庫同胞結婚相談所=TEL  078・261・3922)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事