在日本朝鮮人総聯合会第19回全体大会で行った

総聯中央委員会活動報告(要旨)

総聯中央第1副議長  徐 萬 述


 代議員のみなさん!

 われわれは、総聯が世界海外僑胞運動の先駆者としてその名をとどろかせてきた20世紀を締めくくり、希望に満ちた21世紀の初年を迎えた歴史的時期に、総聯第19回全体大会を迎えた。

 今日、わが国を取り巻く全般的情勢においては画期的な転換が起きており、一方、日本の社会環境は依然として困難でより複雑化している。

 在日同胞の間では世代交代と構成面での変化がおきており、過去に比べはるかに多様な生活上の要求と新しい志向が提起されている。

 激変する内外環境のもとで行われる今回の大会は、新世紀の要求と同胞の志向に合わせて在日朝鮮人運動を繰り広げていくための総聯の運動方針を討議決定し、その執行へと全組織を奮い立たせなければならない重要な任務を担っている。

 本大会では、20世紀に達成した貴重な業績を継承し、新世紀の在日朝鮮人運動を海外僑胞運動の手本としてより強化発展させるための第20回全体大会までの課題を提起して対策を討議し、そのための組織的態勢を新たに整えることになる。

 本大会を前に去る2月、総聯の結成から今日にいたるまで、長期間にわたって在日朝鮮人運動を先頭で導いてきた総聯中央の韓徳銖議長が惜しくも逝去した。

 第18回全体大会以後だけでも、総聯活動に一生を捧げてきた貴重な活動家と同胞たちがわれわれのもとを去った。

 われわれは祖国と民族、総聯と在日同胞のために高貴な生涯を捧げた愛国先烈たちに崇高な敬意を表し、彼らの遺志と業績を確固と受け継いでいく決意を固めている。

 本大会は金正日総書記の綱領的教えを高く戴き、総聯を各階層の在日同胞を幅広く網羅した大衆組織として強化発展させ、民族的愛国運動で大きな高揚を起こす重要な契機になるだろう。

1.貴重な経験、新世紀の進路

 過去半世紀の間、誇らしい愛国愛族の道一筋を歩んできた総聯は、21世紀とともに愛国運動を新たな高い段階へと発展させる雄大な転変の新時代を迎えている。

 この重大な歴史の分岐点においてわれわれは、総聯が過去に達成した成果と経験に基づき、新世紀の在日朝鮮人運動の前途を切り開く大きな抱負と高い熱意にあふれている。

1)20世紀運動史の実績と経験

 金正日総書記は次のように述べた。

 「世界には海外僑胞のいる国は多いが、総聯のように自己の領袖、自己の祖国と民族に忠実な海外僑胞組織を持った国はありません。まさに総聯は愛国愛族の先覚者であり、愛国忠誠の模範、世界海外僑胞運動の手本です」

 総聯が歩んできた道のりは、世界海外僑胞運動史に例のない前人未踏の道であった。

 この初めての道で、つねに総聯と在日同胞を正しく導き、温かく見守ってくれたのは偉大な領袖、偉大な領導者の導きであった。

 主席と総書記はつねに総聯と在日同胞とともにいながら、大きな心血と労苦を注ぎ総聯の前途を明るく照らし、肉親の情で在日同胞の生き方と運命を確固と守り、輝かせてくれた。

 総聯が歩んできた半世紀の道のりは、金日成主席と金正日総書記の思想と指導、愛と温情の歴史であり、総聯と在日同胞の愛国忠誠の歴史である。

 われわれは主席を永遠に高く戴き、総書記を忠誠で奉じていく時、総聯の前途にはつねに勝利と栄光だけがあることを、最も貴重な歴史の総括として記録する。

 20世紀に在日同胞は亡国の民、民族分裂の痛みも経験し、自主独立国家の海外公民としての高い民族的尊厳と権利も享受しながら、祖国より大切なものはなく、祖国の運命は即ち在日同胞の運命であることを骨身に染みて体験した。

 われわれは、いくら歳月が流れ内外の環境が変化しようとも、チュチェ思想の旗印に従い愛国愛族の路線を確固と堅持し祖国とともに進む道が、総聯と在日同胞にとって最も正しい道であるという歴史の真理をよりはっきり認識している。

 総聯の愛国運動は、内外反動の迫害と弾圧、分裂と同化策動に立ち向かい、度重なるあい路と難関を克服してきた不屈のたたかいで貫かれている。

 とくに、反共和国、反総聯策動が極限に達した1990年代後半、祖国とともに総聯と在日同胞が経た試練は真に厳しいものだった。

 総聯が、そのすべての試練と難関をそのつど克服することができたのは、愛国愛族の一心で一つになった同胞の団結力があったからだ。

 われわれはこれからも、総聯の生命は団結であり、不敗の力の源泉も同胞の団結にあるという歴史の教訓を変わりなく、しっかりと掌握していくだろう。

 総聯は半世紀の道のりのなかで、中央から分会にいたる各級組織と商工人、青年、女性をはじめとする階層別団体、教育機関と文化機関、経済機関、出版報道機関を備えた力のある同胞大衆団体に強化発展してきた。

 また、あらゆる民族差別と迫害に反対し、同胞の諸般の権益を確固と擁護拡大させ、整然とした民主主義的民族教育体系を打ち立て、次世代たちを真の朝鮮人に育て、民族文化も誇らしく花開かせてきた。

 総聯と在日同胞は、祖国の隆盛繁栄と統一のために特色ある寄与をし、日本人民をはじめ世界各国民との親善と連帯を発展させてきた。

 われわれは異国に住みながらも、総聯のような力のある同胞組織を作り、民族的愛国運動を連綿と繰り広げ、世界の人々が海外僑胞運動の模範と称賛する大きな成果を収めたことについて、高い矜持と当然の自負心を持っている。

 総書記は最近、情勢変化と在日朝鮮人運動の実態を総合的に分析し、総聯の活動方法を根本的に転換することに関する綱領的教えを与えてくれた。

 総書記の教えを高く掲げ、総聯のすべての組織では自己の活動を同胞生活に密着させ、新しい世代をはじめとする各階層同胞らが幅広く参加する多様な形態の運動を創案し、力強く組織展開した。

 この過程で、総聯の姿を同胞組織らしく変え、新しい世代をはじめとする各階層の同胞の間へと活動の幅をより広げるための活動方法転換の手本と新たな芽が創造された。

 今日の現実は、総書記の綱領的教えの真理性と科学性、正当性と生活力をはっきり証明している。

 われわれは新世紀にも、総書記の教えを在日朝鮮人運動の恒久的な指針とし、全面的に貫徹していく。

2)21世紀の新たな進路開く

 新世紀の在日朝鮮人運動は、激動する内外の環境下で進められている。

 総書記の賢明な指導によって祖国は強盛大国建設の荘厳な進軍を力強く繰り広げており、祖国統一偉業において画期的な転換が起き、共和国の国際的威信も急激に高まっている。

 一方、帝国主義勢力は「グローバル化」と「核の脅威」の看板を掲げ、覇権主義と世界支配を追求しており、新世紀に入ってからも共和国を孤立圧殺するための強硬策に頼っている。

 われわれが住む日本では、政治情勢が変化する中で同胞に対する民族差別と同化が露骨になっており、持続する経済不況と金融不安が同胞の生活を大きく圧迫している。

 とくに、世代交代が完全に実現したことで、総聯と在日朝鮮人運動の前途は、新しい世代の両肩にかかっている。

 このように激変する情勢と内外環境、在日同胞社会で起きた変化は、新しい世紀に在日朝鮮人運動の前途をどのように開拓していくのかという極めて重要な問題を提起している。

 21世紀の在日朝鮮人運動の進路は、総聯の全活動で主体性と民族性を確固と堅持し、新しい世代が主役となって幅広く民族的愛国運動を発展させていくことにある。

 主体性と民族性を固守し継承発展させていくうえでの基本は、領袖の思想と指導を掲げ具現していくことである。

 領袖の偉大な指導は総聯の第1の生命線であり、在日朝鮮人運動の勝利的前進のための根本保証となる。

 金正日総書記は、21世紀の総聯と在日朝鮮人運動のりょう遠たる未来を切り開き導く民族の偉大な指導者、世界の進歩的人類がともに称賛する卓越した政治家である。

 総聯は今後、情勢がいかに変化しようとも、総書記の思想と指導を忠誠で受け止めていくことを活動の変わらぬ原則とし、全同胞が総書記を高く奉じ従い、わが国、わが祖国のために高い献身性を発揮していくようにするだろう。

 21世紀の主人公は新しい世代である。

 新しい世代を主役にすえ、総聯の組織建設と愛国活動を展開していくことは、新世紀に在日朝鮮人運動を力のある同胞大衆運動へと転換させるための確固たる保証となる。

 総聯は、第1世代、第2世代同胞の愛国精神と業績を新しい世代がそのまま継承し、新世紀の在日朝鮮人運動をしっかりと担っていくよう、総聯活動を新しい世代中心へと確かに転換させる。

 各階層同胞のニーズと志向に合った同胞社会を立派に作ってこそ、新世紀の在日朝鮮人運動を真の同胞大衆運動にできる。

 全在日同胞の志向と利益を代表し実現するのは、総聯が担った栄えある使命であり、本分である。

 総聯は、思想と政見、信仰と職業の違いを問わずすべての在日同胞に真に服務し、彼らを祖国の統一と繁栄のための偉業に幅広く呼び起こしていく。

 また、同胞たちの願いである民族性と同胞愛で結ばれた仲むつまじい同胞社会、経済的に安定して民族の文化、情緒があふれる豊かな同胞社会、日本と国際社会で堂々たる地位を占め、祖国と民族のために価値ある貢献をする力ある同胞社会を築いていく。

 総聯の活動方法を転換するのは、新世紀の在日朝鮮人運動の進路を成果裏に開いていくための先決条件である。

 総聯は、新世紀のニーズに相応しく活動方法と活動方式を転換し、総聯組織を、幅広い同胞大衆の愛情と支持を得られる組織体に、絶え間なく一新させていく。

 われわれは総書記の指導に従い、大多数の在日同胞を網羅した大衆的な同胞組織に総聯をいっそう発展させ、新世紀の在日朝鮮人運動の進路を力強く切り開いていく。

2.民族性守って生きるために

 海外僑胞問題は民族問題の一環であり、民族自主精神を抱いて自民族の尊厳と権利を守るのは、海外僑胞運動の本質的要求である。

 異国の地で暮らすわが同胞にとって、民族性を守り生かしていくのは、朝鮮民族としての存在と生を享受するための必須の条件である。

 ましてや世代交代にともない民族自主精神が徐々に希薄化し、内外反動勢力の同化策動が日増しに露骨化している現状は、民族性を守る問題をいっそう切迫した問題として提起している。

 総聯は高い民族的使命感を持ち、民族性を守り生かす問題を在日同胞社会の存亡、同胞たちの将来の運命を左右する根本問題とみなして重視し、これに大きな力を傾けていく。

1)新世紀に沿った民族教育を

 民族教育事業は、異国の地で在日同胞の民族性を守り、子どもたちの幸福な将来を花開かせるための聖なる事業であり、在日朝鮮人運動の生命線である。

 世界には国も多く海外僑胞も多いが、同胞が暮らすいたるところに初級学校から大学校までの民族教育体系を整え、育ち行く新世代に民族の言葉と文字、歴史と文化を教え、民族の精神、愛国の精神をしっかりと育んでいる海外僑胞組織は総聯だけだ。

 民族教育を受けた10万人の卒業生たちが、民族の代をしっかりと受け継ぎ、各地の朝鮮学校が同胞社会と愛国運動で重要な役割を担っている現実は、民族教育事業こそ総聯の最も貴重な財産、大きな誇り、最も重要な愛国課題であることをはっきりと示している。

 総聯は、民族教育事業をすべての活動の中心にすえ、新世紀のニーズと同胞の志向に合わせて強化発展させていくことに全組織的な力を傾けるだろう。

 われわれは学校教育の質的水準と実効性を決定的に高め、民族教育の優越性をいっそう発揮できるようにしていかなければならない。

 現在、学齢期の子どもたちの保護者はほとんど第3世代の同胞である。

 彼らは子どもたちに民族的素養と愛国の心を育み素質と能力を育てることで、子どもたちが卒業後にも価値あり誇らしい生活を送るとともに、国際社会でも活躍することを願っている。

 われわれは民族教育事業において主体的性格をしっかりと守りながら、現代の教育発展のすう勢と同胞たちのニーズに沿った教育の内容、方法の改善に格別な力を注いでいく。

 初、中、高級学校では国語をはじめとする民族科目を基本にしながら基礎科学教育と日本語、英語教育を強化し、「学校週五日制」を実施する方向でカリキュラムを改編し、新しい教科書を編さんして教育の実効性をいっそう高める。

 同時に、学校教育にコンピューターとインターネットを積極的に導入し、生徒たちに情報時代に対応した情報技術に関する知識と活用できる能力を習得させる。

 また教員の講習システムと教育方法研究活動、模範教授者運動など、教員の資質向上事業の質的水準を高めることにも深い関心と力を注ぐ。

 総聯中央は、常任委員会の諮問機関として「民族教育協議会」を設置し、教育の内容と方法、特色ある教育の導入や卒業生の進路、学校網の改善など、民族教育の質と効果を高めるための対策を研究するようにし、それを教育事業の実践に積極的に反映していく。

 われわれは、民族教育の権利を擁護拡大し、学校運営の自立的土台をしっかりと構築するための活動にすべての組織と幅広い同胞を積極的に参加させていく。

 子どもたちに民族教育を実施するのは、誰も侵害できない在日同胞の正当な権利であり、日本当局がわれわれの民族教育事業と関連したすべての権利を保障するのは当然だ。

 総聯は、日本の大学への進学、各種のスポーツ大会参加資格の獲得など、過去の教育権利擁護運動で達成した成果に基づき、日本当局に民族教育の権利を全面的に認めさせ、日本の教育法1条校である私立学校に準ずる教育助成金を支給するようにするための一大大衆運動を展開する。

 また保護者と卒業生をはじめとした幅広い同胞の熱意と知恵を集めてすべての組織を動かし、学校を愛する運動もより発展させる。

 われわれが最大の力を注ぐべき活動は、民族教育の場により多くの子どもたちを網羅させることだ。

 現在、日本の複雑な社会環境の中でも健全な精神道徳的品性と民族的素養を備えた力ある人材として育つ朝鮮学校生徒たちの姿は、民族教育の正当性と優越性を内外に示している。

 すべての組織は、学校事業の成果をもって民族教育の宣伝活動と多彩な教育行事、日本学校との交流活動を活発に行い、同胞の子どもたちを朝鮮幼稚園と各級学校により多く受け入れなければならない。

 同時に、民族学級と土曜児童教室、午後夜間学校などの非正規教育網を拡大し、日本学校に通う同胞児童・生徒を広範に網羅しなければならない。

2)凡同胞運動として展開

 総聯同胞や民団同胞、組織に属していない同胞、日本国籍の同胞、国際結婚をした同胞も、みな同じ血筋で、社会歴史的な出自の共通性を持つ在日同胞である。

 すべての在日同胞は、所属団体と信条、信仰と職業の違いを乗り越え、民族性を守り、生かしていくための運動にともに立ち上がらなくてはならない。

 総聯は、在日同胞たちが高い民族自主精神を抱き、尊厳を持って生きていくようにすることに優先的な力を注ぐ。

 民族性において基本は民族自主精神である。

 民族自主精神は、自民族に対する誇りと自負心として表れ、それは民族愛、祖国愛につながる。

 われわれは、新しい世代をはじめとした幅広い同胞に、悠久な歴史と輝かしい文化、優れた愛国心と正義感、道徳、義理を備えた朝鮮民族の優秀性と在日同胞の愛国愛族の歴史をきちんと知らせ、同胞たちが高い民族的誇りと自尊心を抱くようにすべきだ。

 そして、すべての同胞が、民族の優秀性がいっそう光り輝くであろう統一朝鮮の将来に対する希望と抱負にあふれ、日本で暮らしても生命の根源であり母体である祖国と民族を忘れず、熱く愛するようにすべきだ。

 総聯は、民族の象徴である言葉と文字を守り、朝鮮人の姓名を守るための運動を全同胞あげて幅広く展開する。

 われわれは、組織のあるいたるところに「青年学校」と朝鮮語教室を多く設け、朝鮮語のわかる活動家と同胞が先生役を引き受け、新しい世代の青少年や若い同胞に朝鮮語を教える活動を大々的に展開しなくてはならない。

 また同胞社会と家庭、総聯のすべての活動の場で朝鮮語を守り、正しく使う運動を広く展開すべきだ。

 同胞たちが日本名を使うのではなく民族固有の姓名を使い、表札も本名にして堂々と生活するための運動も幅広く繰り広げなくてはならない。

 総聯は在日同胞の間で美しい民族文化と民族の伝統を花開かせるための活動を幅広く展開していく。

 われわれは、金剛山歌劇団の公演をはじめ民族文化芸術活動と汎同胞的な大衆文化芸術活動を多彩に繰り広げ、老若男女の幅広い同胞が参加するようにし、歌い踊りスポーツや娯楽を楽しみながらも固有な民族のものを積極的に生かしていかなくてはならない。

 古くからの民族的な風習をはじめ民族の高尚な美風良俗を生かしていく活動も活性化すべきだ。

 また同胞青年の間で民族結婚を奨励し、成就させることに格別な関心を向け、同胞社会において民族の血がしっかりと継承されるようにしなくてはならない。

 われわれは、日本国籍を持つ同胞が共和国国籍を取得しようという要求を積極的に支持し、日本国籍者だとしても民族的な良心を持って生きようという同胞はすべて受け入れ、総聯の各活動分野に広く網羅していく。

 在日同胞の間で民族性を守り、民族的自尊心を高め、団結の輪を広める上で重要な役割を担うのは出版物である。

 われわれは、朝鮮新報と「イオ」をはじめとする総聯の出版物が、同胞を愛国愛族の道へと導く案内人としての役割をいっそう高めるようにしていく。

 とくに、朝鮮新報の編集を在日同胞の実情に見合うようより改善し、読者を拡大するための運動を組織をあげて進めることで、新しい世代をはじめとする広範な同胞が、金正日総書記を民族の領袖に戴いた矜持と信念を持って生きていくようにしていく。

 総聯は、内外の反動勢力の民族抹殺策動をはねのけ、民族と同胞を守るためのたたかいを力強く押し進めていく。

 現在、日本では、日帝植民地時代の罪過を認めないだけでなく、民族的差別と蔑視、排他と迫害の社会的風潮の中で、「地方参政権」とともに「国籍取得要件の簡素化」を内容とする「特別永住者など国籍取得の特例に関する法律案」を成立させる動きが出ている。

 「参政権」の付与は、在日同胞に対する分裂、同化策動であり、「国籍取得特例法」は在日同胞の間で「帰化」を促進し、彼らを「朝鮮系日本人」「韓国系日本人」に作り、日本から朝鮮人自体をなくそうとする危険な策動である。

 総聯は、在日同胞に対する同化と民族性抹殺を狙うあらゆる策動を断固許さず、徹底的に反対、排撃し、自主独立国家の公民としての国籍と政治的権利を強固に守り、たたかっていくだろう。

3.新世紀主役に、役割高めるために

 新しい世代の同胞と青年たちは、進取性が強く、時代のすう勢に敏感であり、多方面におよぶ知識と創造的な能力を持った活力ある愛国の力量である。

 新世紀の総聯活動と在日朝鮮人運動の成否は、新しい世代の同胞が、愛国運動の主役としての責任と役割を果たすかどうかに大きくかかわっている。

 総聯の組織建設と愛国事業を、新世代同胞のあくなき力と創造的積極性をもって、斬新かついきいきと進めてこそ、愛国の代を継ぐことができ、総聯が世界海外僑胞運動の先駆者としての模範を21世紀にもひき続き示すことができる。

1)新世代中心に活動転換

 在日朝鮮人運動を新世代を中心に転換するということは、新しい世代の同胞と青年が総聯活動の主役になり、彼らの要求と志向に合わせて総聯の活動を押し進め、その力と知恵に基づいて諸般の愛国活動を進めていくことを意味する。

 総聯の各級組織は、民族的自覚と愛国心が高く、能力のある新しい世代の活動家を責任ある役職に抜てきし、若い情熱ある同胞たちを基層組織の役員に受け入れることで、彼らが積極的な役割を果たすようにしなければならない。

 新しい世代を中心に各種研究会も系統立てて組織し、彼らが創意工夫と能力を発揮し、新しい世代の特性に合った多様な愛国運動を活発に企画し、積極的に推進していくようにする。

 また、新しい世代を中心に総聯の活動を力強く展開していく上で重要なことは、新しい世代の活動家と同胞青年を愛国の代を継ぐ頼もしい柱としてしっかり準備させることである。

 われわれは、新しい世代の活動家と同胞青年を、総書記を民族の領袖として高く奉じ、祖国愛、民族愛を備えた愛国的な人材に育成する活動を体系的に進めていく。

 総聯は、中央に「新世代問題協議会」を新たに設け、新しい世代の青年を愛国事業の継承者に育てるための活動を、全組織と同胞の関心と協力のもとで進めていく。

 各級組織と団体では、新しい世代の活動家が政治思想的な資質を高め、同胞服務者としての風貌を備えるよう誠心誠意支援し導いていく。

 とくにすべての組織は、新しい世代の専従および非専従活動家を肉親の情で大切にして愛し、彼らの活動と生活条件を優先的に保障するための対策の研究に真しに取り組んでいく。

2)新世代団体の役割向上を

 朝青、青商会、留学同は10代から30代までの在日同胞青年学生を網羅した総聯の新世代団体であり、総聯愛国事業の継承者たちの組織である。

 新しい世代を網羅する団体が広範な同胞青年を結集し、彼らの中で主体性と民族性が守られるようにしてこそ同胞社会は存続し、在日朝鮮人運動が継承される。

 世代交代に伴い、少なくない同胞青年が組織と離れて暮らし、彼らの民族性が日増しに稀薄化している現実と、同世代の青年たちだからこそ彼らの特性に合わせて活動できるという事情によって、新世代の団体の役割を決定的に高めることが切実に求められている。

 新世代を対象にした団体は、在日朝鮮人運動の継承者としての自らの使命を深く認識し、一人でも多くの青年と若い同胞を結集させるため、活動内容を改革すべきである。

 朝青は、広範な同胞青年を組織化するための多様な大衆運動を進め、基層組織をはじめとするすべての組織を活性化させ、青年たちの間で思想教育事業と文化スポーツ活動を、若者らしい味が出るよう進めることで、彼らのすべてが代を継いで愛国の道をしっかりと歩むようにしていく。

 青商会は、県、地域単位の組織をより整備し、会員を増やし、民族文化運動と新世代経済人の交流の場を通じて、同胞社会の新しいネットワークを形成するために積極的に貢献していく。

 留学同は、本部と支部をより強化し、日本の大学と専門学校に通う同胞学生を広範に網羅し、彼らが祖国と民族、同胞社会と総聯の活動のために知識と能力を生かすことにやりがいを持てるようにしていく。

 朝青、青商会、留学同はより緊密に連携し合い、青年たちが朝青と留学同を経て青商会に網羅されるようにし、いずれは総聯の各級組織と商工会をはじめとする各分野で活躍する愛国活動の継承者になるよう準備していく。

 すべての組織は、新世代の団体に対して以前より何倍もの大きな関心を注ぎ、彼らを引き立て、その特質を生かしていきいきと、おう盛に活動できるよう支援していく。

3)同胞女性との活動強化を

 女性同盟と同胞女性は、これまでつねに同胞社会と愛国運動で大きな役割を担い、次世代教育と権利擁護、祖国の統一と隆盛繁栄のための活動に大きく貢献してきた。

 こんにち、在日朝鮮女性の中には愛国的な活動家と情熱あふれる同胞女性、多方面における専門家、企業活動を行う女性商工人が多い。

 総聯のすべての組織は、女性同盟の地位と役割を高め、同胞女性、とくに新世代の若い女性たちとの活動を彼女らの志向と生活のニーズに合わせて改善し、女性運動で自立性と特性が生かされるよう支援していくべきだ。

 女性同盟は、30、40代の女性との活動を中心に据えていく。

 そして、若い女性たちが主役となって、支部をはじめとする基層組織をうまく動かすようにし、子女教育と文化的素養の向上、民族的な輪の強化など、女性たちの要求を反映した様々な大衆運動を幅広く繰り広げ、より広範な女性たちを組織のまわりに結集させなければならない。

4)専門家の育成に尽力

 総聯は結成からこんにちにいたるまで民族教育を通じて人材を育成し、諸般の愛国課題を遂行してきた。

 最近では、民族人材育成の拠点である朝鮮大学校に法律学科を新設するなど、新世紀の在日朝鮮人運動を視野に置いた人材育成事業を進めてきた。

 総聯は今後、愛国運動を行う上で求められる法律、経済、文化、科学技術をはじめとする各分野の専門家と有資格者を育成する活動を本格的に進めていく。

 とくに、朝鮮大学校は総聯の人材育成事業において自らが担っている任務をより頼もしく遂行して専門家を系統的に輩出し、社会科学者協会と科学技術協会、医学協会、人権協会をはじめとする団体は、朝鮮大学校卒業生とともに、日本の大学出身者を積極的に受け入れ、新しい世代の人材育成事業を力強く進めなくてはならない。

 われわれはまた、素質ある人材を各分野で発掘し、祖国と日本をはじめとする外国の大学と研究機関、文化とスポーツ機関に派遣して、世界的に名をはせる人材を育てていく。

4.同胞の生活要求実現のために

 総聯は結成からこんにちにいたるまで、在日同胞の生活と権利をしっかり守ってきた。

 日本で同胞のために服務するのは総聯だけである。

 総聯は、同胞の生活と次世代の幸福のために服務する同胞権益擁護団体としての重要な任務をより立派に遂行していく。

1)実利図り、民族権利守る

 何よりも総聯は、同胞商工人の商工企業活動を積極的に支援し、同胞の経済生活安定のために寄与していく。

 こんにち、同胞と商工人らは、長期化している日本経済の複合的な不況と金融機関の破綻の影響下で、いつになく深刻な生活難、経営難に陥っている。

 現在の日本の経済環境で、同胞商工人が商工企業で新たな活路を開くためには、一方で経済力を強化し、経営上の難局を克服しなければならず、もう一方では新しい世代の商工人らを中心に新しい経済活動領域を開拓し、国際市場にも進出しなければならない。

 総聯は、商工会をはじめとする経済機関とともに、経済情勢と同胞商工企業界の動向に関する研究分析、経済情報の収集と提供、経営アドバイスなどの経営支援事業を、同胞商工人らの要求に応じていっそう強化していく。

 今後、商工会と朝銀、金剛保険、青商会の経営企画委員会、総聯合弁事業推進委員会と朝・日輸出入商社をはじめとする経済機関と研究者らによる在日同胞経済研究会、経済懇談会のようなものを設け、商工連合会の経済研究室が主管、発行する「同胞企業定期景況観測」などの資料が、同胞商工人の間で広く活用されるようにしていく。

 商工会は、結成後55年の間に蓄積した活動経験を生かし、各階層の同胞商工人が切実に求める資金問題、税務問題、新市場の開拓問題を解決するためのアドバイスを強化し、商工人らの経済的実利を図るうえで、より大きな役割を果たさねばならない。

 総聯はすでに設立した「同胞就職情報センター」の役割を高め、同胞企業の求人案内、同胞と朝鮮学校卒業生らの就職あっ旋事業を積極的に繰り広げ、同胞職業構成上、増加する給与所得者の生活安定と向上のための活動に深い関心と力を注いでいく。

 総聯はこんにち、同胞、商工人らの間で最優先の要求として提起されている朝銀信用組合の再生と新たな発展のために全力を傾ける。

 ここ10年の間に日本を襲った経済金融不況と商工人らの経営難のため、一部の朝銀が破綻を免れない胸痛む事態を招いた。

 われわれは、同胞商工人の企業発展と同胞の生活向上に貢献してきた一部の朝銀の破綻を防ぐことができず、同胞らに多くの被害を与えたことに責任を感じている。

 われわれは、かつての活動から深刻な教訓を得、朝銀信用組合が立てた再編成計画に沿って、一日も早く再出発できるよう全組織の力と朝銀職員、商工人をはじめとする同胞らの愛国熱意を呼び起こし、出資金の募集と預金増加のための活動を力強く進めながら、信用組合を最後まで守っていく。

 とくに朝信協は今後、信用組合が日本の金融経済環境の急速な変化に、より主導的に、迅速に対処できるよう運営体制を再整備し、信用を回復して経営の健全化をはかれるよう実質的な対策を研究しなければならない。

 そして、わが信用組合が新しい世代の愛国的商工人をより多く育成し、同胞の商工企業の発展と生活安定にさらに貢献できるようにしなければならない。

 つぎに総聯は、すでに整えた同胞生活奉仕システムが成果を出し、同胞にさらによく服務するようにしていく。

 われわれは、総聯中央委員会第18期第3回会議拡大会議以後、総聯支部を中心に全組織に「同胞生活相談綜合センター」を設立し、中小本部でも地域的特性に合わせて地方別センターを開設し、日本全域を網羅した奉仕事業網を整えた。

 「同胞生活相談綜合センター」開設後の1年間の活動経験は、総聯組織こそが同胞生活の立派な相談者、アドバイザーであることを具体的な事実を持って証明した。「デイハウス」、様々な「同胞の場」の運営は、同胞に奉仕する総聯のあるべき姿を如実に見せた。

 われわれは、綜合センターの機能と相談員たちの役割をいっそう高め、相談案件の解決実績を高めることによって、センターの成果をあげていく。

 そのために、地域綜合センターどうしの連携、人権協会、結婚相談センター、就職情報センターなど中央の機関との協力のためにコンピューター連絡システムを整え、センター運営の経験についての交流もよりおう盛に行っていく。

 そして、綜合センターを貴重なてこにし、総聯だけでなく民団と未組織、日本国籍を持つ同胞らをすべて網羅した、相互扶助のトンネをつくっていく。

 総聯は、本大会を前に新たに設けた日本全域の連絡網である「同胞福祉連絡会」の機能と役割を高め、同胞高齢者、障害者とその家族が親ぼくを深めて互いに助け合えるようにするとともに、全同胞あげて彼らを支援していく。

 金剛保険は、同胞生活により密着し、同胞の生命と財産、健康と老後の生活などを保険権益の面で保護するために、より奉仕していく。

 総聯は、共和国公民としての在日同胞の民族的権利を拡大するための活動を、強力に推進していく。

 われわれは、特殊な歴史的経緯を持つ在日同胞が当然享受すべき諸権利の保障を総合的に法制化する問題を日本当局に提起し、その実現のために努力する。

 つぎに総聯は、情報通信技術の発展と普及の勢い、新しい世代をはじめとする同胞らの志向に沿って同胞情報交流網の革新を進めていく。

 21世紀は情報産業の時代、情報通信技術革命の時代である。

 最新情報通信技術を総聯活動に積極的に導入し、広く活用することは、時代の重要な要求である。

 総聯は、組織活動と同胞社会に、最新情報手段を利用した事業システムと同胞交流網を設けるために大きな力を注いでいく。

 まず、総聯中央が今回インターネットホームページ「総聯」を立ちあげたのを機に、すべての組織がコンピューター通信連絡システムを整え、団体、事業体もインターネットとEメールを通じた会員、同盟員たちとの事業体系を新たに設け、積極的に活用していく。

 また地域では、支部と分会活動に最新情報手段を取り入れ、生活に密着した同胞交流網を形成することで、各階層の同胞とより広範囲で迅速な連携を結び、宣伝活動と生活奉仕活動、情報交換が実効性をもって進められるようにしていく。

 総聯は、朝鮮学校のコンピューター設備を利用し、同胞を対象にした最新情報通信技術に関する講習と「同胞コンピューター教室」を大々的に組織する。

 われわれは、総聯組織と同胞社会に最新情報通信手段を積極的に導入し、これを活用する事業を総合的に押し進めていくために、総聯中央に「情報通信推進室」を新たに設ける。

2)支部、分会活動の改善強化を

 支部と分会は、同胞の生活上の要求を実現していく基本単位である。

 総聯活動と地域同胞社会の総合的拠点である支部、基層末端単位である分会なくしては、総聯が同胞大衆のために真に服務する組織にはなれない。

 支部と分会が宣伝活動と同胞の親ぼくのための場を多彩に組織し、生活奉仕活動と文化スポーツ運動を日常的に、おう盛に繰り広げてこそ、各階層の同胞を幅広く網羅できるということは、すでに実践を通してはっきり証明されている。

 総聯は今後、組織建設と活動において支部の強化を中心にすえ、組織の力量を支部に集中させる支部重視の方針と原則をより確固と堅持していく。

 そのためには、総聯支部に若く有能な活動家を優先的に配置し、「支部居住専従活動家会」の活動をはじめ、全組織が支部の活動を支援し、協力していくようにしなければならない。

 総聯支部では商工会と朝青、女性同盟、青商会をはじめとする地域団体の責任活動家らと非専従役員らも常任委員会のメンバーにするなど、支部機関の集団的な機能と役割をいっそう高めていく。

 また、分会事業を活性化させるため、若い同胞が分会長と分会委員に進んでなるようにし、同胞トンネの活動を多彩に、創意工夫して組織し、「愛国愛族分会創造運動」をより力強く進めていく。

 新世紀の要求と同胞の志向に合わせて総聯活動を行うには、活動家らの思想観点と活動気風から改革しなければならない。

 総聯の活動家は、すべての活動を新しい観点と新しい高さで見、既存観念にとらわれ過去の古く遅れたものを抱え込むのではなく、大胆になくすものはなくし、新しいものを絶え間なく創造していかねばならない。

 とくに活動家は、誰が見ようが見まいが一日中同胞について考え、彼らのために奉仕する透徹した服務精神を持ち、同胞の中に深く入って苦楽をともにしながら、信頼され愛される立派な同胞奉仕者として活動せねばならない。

 また、同胞たちに生活上の実利を与え、諸権利を擁護するための多様な知識と高い実務能力を備えるために全力を尽くしていく。

 すべての活動家は、自身の思想観点と思考方式、実力水準における転換こそが総聯活動転換の先決条件であり、優先的課題であることを深く胸に刻み、要求性を高め、愛国活動に献身することで、活動実績をもって服務していく。

 総聯活動をより幅広く活発に組織展開する点において現在、必ず解決しなければならない重大で切迫しているのは財政問題である。

 われわれは財政部門に、忠実で実力のある活動家を配置し、収入源を拡大するための対策を進んで研究し、愛国的な商工人、とくに新しい世代の商工人をはじめとする同胞たちの熱意に依拠し、必要な愛国資金を解決するようにしなければならない。

5.祖国の統一と強盛大国建設に貢献

 新世紀、総聯活動と在日同胞社会の新たな姿は、統一され富強繁栄する祖国の未来とひとつにつながっている。

 祖国が富強繁栄してこそ、異国の地で暮らすわが同胞も堂々と生きていくことができ、次世代の明るい未来も確かに開拓していける。

 われわれは、20世紀に続いて新世紀にも、祖国の統一と富強繁栄のための誇らしい愛国愛族の道で、愛国忠誠を尽くしていくべきである。

1)統一に特色ある寄与を

 祖国統一は、7000万民族の世紀的宿願であり、在日同胞の最大の念願である。

 総聯はこれまで、祖国統一を第1の愛国活動と考え、その実現のために力強くたたかってきた。

 総書記自ら実現させた歴史的な平壌対面と北南共同宣言の発表により、こんにち、民族の統一運動では画期的な転換がもたらされ、統一のための新しい時代が開かれている。

 祖国統一のためにあらゆる努力を尽くしてきたすべての在日同胞は、祖国統一のための21世紀の道しるべである北南共同宣言に接した喜びと感激に包まれ、政見と信仰、所属団体を乗り越えて、同胞社会全体が統一に対する熱望にわいた。

 また、総書記の格別な配慮によりかなえられた総聯同胞故郷訪問団事業を通じて同胞らは、わが民族は決して分かれて暮らすことができず、統一だけが生きる道であることを痛感している。

 祖国統一を目前にした歴史的転換期を迎えたいま、すべての在日同胞は自主の理念のもとに大団結し、祖国統一を実現させるための全民族的な偉業を成し遂げるうえで一丸となって立ち上がらなければならない。

 こんにち、北南共同宣言を支持し履行するかどうかは、統一か分裂、愛国か売国かを見きわめる試金石となる。

 われわれは、北南共同宣言発表1周年を機に、その履行のための全民族的な統一運動により力強く合流していくだろう。

 われわれは、祖国統一3大原則と全民族大団結10大綱領、高麗民主連邦共和国創立方案の祖国統一3大憲章が統一のための唯一の正当な道であることを内外に広く解説、宣伝していかなければならない。

 総聯は、民族同士力を合わせて祖国統一を成し遂げようとする民族自主の理念のもと、民団同胞を含む各階層の同胞たちとの民族的団結と共同行動を、同胞が住むいたる所で活発に行い、統一勢力を拡大強化するために積極的に努力していく。

 在日同胞の大多数が故郷を南朝鮮に置いている。

 われわれは、総書記の配慮により北南閣僚級会談の合意に基づき行われてきた総聯同胞故郷訪問団事業を今後も引き続き推進していくだろう。

 われわれは、醸し出された新たな環境に即して南朝鮮の各階層の人々との交流と連携を深め、北南共同宣言の実現のための彼らのたたかいを積極的に支持していく。

 また、海外同胞との連帯を強化していくことで、海外同胞らが北南共同宣言履行に貢献するよう寄与していく。

 それによって総聯は、北南共同宣言の履行をストップさせようとする内外の反統一勢力の策動を断固阻止し、祖国統一の実現に栄誉ある貢献をしていく。

2)強盛大国建設を積極支援

 総書記の遠大な構想に基づき祖国ではこんにち、富強繁栄する社会主義強盛大国建設のための、21世紀の総進軍運動を繰り広げている。

 総書記は、21世紀にふさわしい強力な経済力の構築を、強盛大国建設のための重大な課題として示し、その実現のためのたたかいを陣頭で指揮している。

 これまで愛国的商工人と各階層の同胞らは、真の母なる祖国、共和国の富強繁栄のために愛国的誠意を尽くし、祖国の大地の上に忠誠と愛国の花を咲かせてきた。

 われわれは、巨大な強盛大国を建設する道のうえに、祖国を愛する一心で大小かかわらず全員が愛国の足跡を残さなければならない。

 こんにち、祖国では既存の経済土台を整備し、その威力を最大限に高めながら、人民経済全般において世界の最先端技術改造を行うために力を集中している。

 われわれは、工業設備の現代化と技術改造に貢献するための運動を全同胞あげて繰り広げ、祖国の工業発展に積極的に寄与していかなければならない。

 また、農業生産を画期的に高めるための種子革命、ジャガイモ農業革命と複合微生物肥料生産に関する支援活動をはじめ、人民生活向上に貢献していく。

 われわれは、科学技術時代の要求に即して同胞科学者、技術者たちの隊列を整え、彼らの役割を高め、祖国との共同研究と技術交流事業を強化していく。

 それと同時に、祖国との合弁、合作、加工貿易事業を迅速に押し進め、朝・日間の経済交流事業を推進していく。

3)対外活動も新たに前進

 対外活動を立派に行うことは、祖国と総聯の権威を高め、祖国統一を促進させるための重要な保証となる。

 われわれは、朝・日国交正常化を一日も早く実現し、総聯の愛国活動と同胞生活により有利な環境を整えるための活動を力強く押し進めていく。

 とくに日本の植民地統治による最大の被害者、証言者である在日同胞たちにとって、日本当局が朝・日間の重い過去を一日も早く清算し、謝罪と補償をすることは、遅らせることのできない課題である。

 われわれは、総書記の指導のもとにまい進する祖国の真の姿と、共和国の主体的な対外政策を広範な日本市民に知らせ、日本のすべての政党、団体と各階層の人々との親善・連携をいっそう強化し、朝・日国交正常化のための広範な世論と運動が日本各地でいっそう活発に繰り広げられるよう務めていく。

 総聯は、民族的主体性をしっかりと守り、自己の立地条件に沿って生活密着、地域密着の対外活動を強化していく。

 日本の地方自治体、市民団体、町内会をはじめとする各地域組織と日常的な友好関係を築き、総聯活動に対する幅広い支持と信頼を得るようにすると同時に、地域社会活動にも積極的に参与していく。

 共和国の対外関係で大きな変化が起きている時代のすう勢に合わせ、総聯の国際的な活動範囲もいっそう広めていく。

 総聯は、新しい世代をはじめ各階層の同胞らが国際舞台で広く活躍できるようにすることで、祖国統一をはじめとするわれわれの愛国偉業に対する国際的支持と連帯の声を一層高めていく。

 代議員のみなさん!

 新世紀、総聯と在日朝鮮人運動の進路は、創造と革新の道である。

 この道でわれわれは、来年迎える金日成主席の生誕90周年と、総書記の意義深い誕生日を民族最大の名節として迎えることになる。

 すべての総聯活動家と在日同胞は、総書記の指導に沿って進む道に、富強繁栄するわが国、わが祖国とともに在日朝鮮人運動の明るい未来があるという揺るぎない信念を抱き、本大会の方針の遂行へと力強く立ち上がらなければならない。

 私は、歴史的な大会に参加した代議員のみなさんが固く一致団結して、総書記が導く勝利と栄光の道に沿って、新世紀、海外僑胞運動の手本を輝かしく創造していくために先頭に立ってくれることを熱烈に呼びかけながら報告を終える。

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