君へ
止めどない涙のような
雪が降る
しんしんと
あの日君と歩いた
銀杏並木に
そして
ひっそりと震えるこの肩の上に
この夜も止めどなく
雪は舞うのです
嗚呼、あの日の君の言葉は
なぐさめの夢物語?
あの日の君の約束は
いつわりの薔薇?
冷たい手
失われた笑顔のうえ凍てついた涙
熱い吐息で溶かした
あの日の君は何処へ
たたかいの中で
磨かれ
寄り添える魂であることを
誓い合った君はもう
ここへは戻らないのでしょう
その時、デモの先頭で
反米・自主を火のように叫びながら
倒れた君の上
降り積もる雪は
赤く赤く染まりました
青い夢を抱いたままで
(中略)
愛のために学べと
そして、生あるかぎり前へ進めと
君が示したその道を
誰もこの胸から奪えないのだから
いつか来る春の日に
君がくれた言葉を贈るよ
君へ
今はもういない
愛する君へ
(詩集 「あぁ、祖国は」より)
キム・ハンリョル 在日の詩人。朝鮮大学校文学部非常勤講師。
(訳・姜和石)
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