春・夏・秋・冬

 今月初旬、平壌でチョゴリファッションショーを開く李英姫さんに、昨年末お会いした。初めて実現した金剛山歌劇団のソウル公演を見にきた彼女にインタビューしたのだ。在日同胞が異国で民族性を守っていることにたいへん感銘を受けていた。「故郷に帰ったよう。情が通じる」と話していたのが印象的だった

▼李さんは世界的に有名なファッションデザイナー。これまでパリ、ミラノ、ニューヨークなどでファッションショーを開いている。パリのプレタポルテにも南のデザイナーとして初めて参加。アジア最高デザイナー、韓国デザイン大賞にも選ばれている。彼女の功績は、何といってもチョゴリを世界的に有名にしたことだ

▼古典的衣装を現代によみがえらせる一方、チョゴリを現代風にアレンジした「生活韓服」を生み出した。北でのファッションショーでも披露されるという。南のファッションデザイナーが北でショーを開くのは初めて。昨年お会いした際、ぜひ北でショーを開きたいと語っていたが、それが実現したわけだ

▼昨年の首脳会談を前後して、北南間では平壌学生少年芸術団、平壌サーカス団のソウル公演、朝鮮国立交響楽団とKBS交響楽団とのジョイント公演など、多彩な文化交流が行われた。今回のショーもその一環と言える

▼「金剛山歌劇団の公演を見て、やはり私たちは一つの民族だということを実感した。このような出会いが続いてこそ、『私たちの願い』が近づいてくるのでは」と語った李さん。ファッションショーの実現に、その思いが凝縮されている。(聖)

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