同胞結婚中央センターと連携、民族結婚サポートする式場
浅草ビューホテル(東京)
同胞向けに「特別プラン」
めでたく結婚が決まったカップルにとって、日取りの決定と式場選びは何よりも重要なことだ。一般的に、式場選びの際にポイントとなるのは費用と立地条件だが、在日同胞の場合さらに、民族結婚について熟知しうまくサポートしてくれるのかどうかが加わる。同胞結婚相談中央センターでは全国各地の主な式場と交渉し、同センターを介せば、通常プランより平均15〜25%引の「特別プラン」で民族結婚を挙げられる体制を整えている。今号から、「特別プラン」を用意している結婚式場を順次、紹介していく。
20年の経験「すべて熟知」 1万4000円から 在日コリアンの結婚式をサポートして約20年になる「浅草ビューホテル」(東京)。営業部婚礼課の木村邦夫支配人(48)は、在日コリアンの結婚式に携わって14年というベテランスタッフだ。朝鮮語も若干だが話せる。 「まず、民族結婚に対する理解が深く、式の進め方などすべてを熟知している。この種の宴席に欠かせないキムチやお餅、看板などの持込も大丈夫だった。さらに特別プランだったので、予算も当初より大幅に抑えることができた」。 一昨年に同ホテルで式を挙げた、東京・荒川に住む同胞男性(31)は言う。 木村支配人は「在日コリアンの場合、出席者が多いので結婚式、披露宴ともども料理などの面で大幅なプライスダウンが可能。そのうえ、連けいのある同胞結婚相談中央センターを通じて式を挙げる人が年々増えているので、思いきったプランが実現できた」と話す。 同ホテルでは、1人でも多くの在日コリアンの民族結婚をバックアップしようと、最近、料金をさらに下げ、1人1万4000円(通常1万8000円)台からプランを用意している。料理(中華)と飲物、卓上装花、メイン装花など式に必要なものがほとんど含まれている。 1人1万4000円のプランの場合、料理は厳選された食材をふんだんに使った全10種(1万円相当)。冷菜の盛り合わせ、カニ入りスープ、カニ爪の揚げ物、カシューナッツと若鶏のサイの目炒め、芝海老のチリソース煮、竹の子と椎茸、中国野菜の煮物、真鯛の甘酢あんかけ、タカ菜入り五目チャーハン、ココナッツミルクなど本格的な中華のフルコースだ。 式場は、50テーブル(500人収容、4階)、40テーブル(400人収容、3階)が設置可能なステージを備えている。 同ホテルを利用する同胞は、東京近辺だけにとどまらないという。昨年4月から今年3月にかけては、茨城県在住の3兄妹が次々に式を挙げたこともあった。各地に散らばって暮らす両家の親族、親友、関係者が集まりやすいという立地条件のためだ。 また新婦が嫁ぎ先に正式に入る儀式、シネン(嫁入り=夫の両親と家族、親族へのあいさつが基本)をホテル内で行う同胞も増えているという。 空港へも便利 式当日の特典として、新郎・新婦はスイートルームまたはエクゼクティブルームに無料で宿泊できる。挙式1周年記念には、ハネムーンルームに招待される。無料宿泊サービスがあるので、ホテル内やその近くで催される式後の宴会に出席しても、「同窓生や友人らと夜遅くまで話ができ安心」というカップルもいるそうだ。 式翌日、新婚旅行へと出発する際、飛行場までは電車あるいはバスで一本だ。新東京国際空港(成田)までは最寄りの駅から約65分、東京国際空港(羽田)へは約35分。また羽田までは同ホテルから1日4便エアポートリムジンバスが運行されている。 一方、結婚式場の利用いかんにかかわらず、一般同胞も結婚センターを通せば、通常3万6000円のツイン(朝食付き)ルームを1万1000円で利用できる。センターと同ホテルの長い付き合いの中でつちかわれた、相互信頼が生んだサービスである。 「これからも、21世紀の在日コリアン社会を担う若い世代の民族結婚を心からサポートしていきたい」と木村支配人は語っていた。 予約・内容の見積りなどは同胞結婚相談中央センター(TEL 03・3818・7001)・地方センターあるいは各相談所まで、ホームページ=http://www.kyoron.net |