朝鮮大学校同窓会、創立45周年機に「奨励賞」設置
会員、学生らの活動の励みに
15日、記念行事に続き第1回授賞式
同胞社会の発展に各分野で大きく貢献した朝大の卒業生、在校生、教職員を対象にした「朝鮮大学校同窓会奨励賞」を、朝鮮大学校同窓会(李相大会長)が設けることになった。5期目に入った同窓会が提案する「教育基金」構想の一環として、創立45周年を迎える今年から実施されるもので、15日の朝大創立45周年記念行事に引き続き第1回目の授賞式が行われる。同窓会では「少しでも同胞学生たちの励みになれば」と、この事業に意欲的に取り組んでいる。(社会・生活欄に関連記事)
「教育基金」および「奨励賞」の構想は、同窓会の第5期の「活動の中心」(事務局)に位置づけられている。 21世紀という新時代を生きる若い同胞学生、とくに母校朝大の卒業生や在校生のために何かできることがないかと、昨年9月の第5期第1回役員会で提案されたのが「教育基金」、「奨励賞」構想だった。 卒業生に賛同を得て寄付を募り、集まった資金で「教育基金」を立ち上げ、その利子で「奨励賞」制度を設けて、卒業生や在校生に還元するとのアイデア。 長引く不況の最中、同胞の生活と経営も厳しい。そのため当初は、「現実的には難しいのでは」「もう少し煮詰める必要がある」などの意見が噴出した。その後、協議を繰り返すなかで、最終的には「同胞社会の未来を担う若者のためになれば」との意見で一致し、実現に至った。 同窓会が作成した規約によると、「奨励賞」の対象は、約1万4000人の同窓会会員と、在校生、教職員。「学術・技術、文学芸術、スポーツ、教育などの各分野において、目覚ましい功績を上げ、同胞社会の発展に寄与し、朝大の名をとどろかせた個人および集団」に授与される。 年に1回、2件を基本とし、受賞者には賞牌(はい)と副賞50万円が贈られる。 各学部の連合同窓会が軸となって推薦する。提出された推薦書に基づき、各分野の専門家らで構成される審査委員会で選定する。 当面は卒業生、教職員を対象に選定し、在校生への授与については協議を重ねて決定する。(柳成根記者) 同窓会役員に聞く 直接かつ継続的な助けに/李相大・同窓会会長 卒業生として、母校のために何かしたいというのが、奨励賞を立ち上げたきっかけだ。同窓会会長として、ここまでたどり着いたことに感激している。 これまでも、記念館建設など様々な形で母校の発展に尽くしてきた。しかし、朝大の優秀な卒業生や在校生が、財政的理由で十分な研究活動を行えない現状があることを考え、直接的かつ継続的な助けとなる奨励金という形にした。 朝大も時代のニーズに合わせて変革すべき時期にある。卒業生の力で、若い同胞たちの個性を育て、より良い朝大に変えていくという決意を持って、同窓会活動に情熱を傾けたい。 「応援」の意味込める/洪南基・奨励賞実行委責任者 朝大はこれまで「同胞のための高度な教育の場」として、多くの優秀な人材を輩出してきた。また、集団生活を通じた人間形成の場、民族心を養う場としても大きな役割を果たしてきた。その中で、博士号を取得するなど、実績を上げる人も大勢出てきている。 彼らの良い面を伸ばしてあげるのが朝大の使命、同窓会の役割。奨励賞制度は、卒業生や在校生に対する「応援」の意味が込められている。在日同胞として日本で生きていくために必要な知識を得るうえで、有益な制度になるはずだ。 朝大の在校生には、向上心をもって勉学に励み、個性を養ってほしい。 夢を持って勉学を/白陽来・奨励賞実行委副責任者 「教育基金」構想とそれに先立つ「奨励賞」制度は、同窓会で前から構想してきたものだ。頑張った人に奨励金を贈るという方法は非常に分かりやすく、かつもらった人にも励みになる。これを機に、学生たちが夢を持って勉学に励んでくれればうれしい。 情報化社会においては、人と人との生のコミュニケーションと情報交換がより重要になる。民族のコミュニティーである朝大では、学生同士が気心も知れ、ホットな情報を共有しあえる。それは卒業後も大きな信頼関係を築く礎になる。朝大生には、在学中に良い友人関係を作り、より良い同胞社会を築いてほしい。 |