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米国が進めるNMD(国家ミサイル防衛)計画、田中外相の発言が日米関係を揺さぶっている。「内容の善し悪しは別として、外交には素人なのだから、いまさら目くじら立てたところで後の祭り」とは、永田町を担当する記者の言葉。「参院選挙まではその人気を利用したいだろうから、その後に環境庁長官あたりに横すべりさせるのではないか」
▼しかしNMD計画の背景に、「ブッシュ大統領は保守的な人びとに囲まれており、地元テキサスの石油業界関係者など支持母体の影響があるのではないか」という外相の疑問は、本質を突いたものだ ▼この種のテーマにおいて、他者の追随を許さない作家の広瀬隆氏は、近著「アメリカの巨大軍需産業」のなかで、歴代政権と軍需産業のゆ着実態に言及。ブッシュ政権について、30兆円を超える国防予算からの関連産業受注額において「ブッシュファミリーのが城であるテキサス州は全米3位」 ▼世界最大の軍需産業で、NMDのミサイルを製造する「ロッキード・マーティン社の女性重役リン・アン・チェイニーの夫は副大統領で、事実上、外交・安保を仕切っているチェイニー」。さらに「NMDの理論作りをした軍事シンクタンク、ランド・コーポレーションの理事長として君臨したのが国防長官ラムズフェルド」「チェイニーはニクソン政権時代、ラムズフェルドの補佐官だった」 ▼なんともわかりやすい構図ではないか。NMDのために「ならず者国家=北朝鮮」を流布するブッシュ政権。外相に徹底的に疑問を解いてもらいたいものだ。(彦) |