くらしの周辺
金融会社のCM
1歳になる息子は、夢中に遊んでいる最中でも急にテレビに釘付けになるときがある。よく見ると、テレビの金融会社(街金)のCMを注視している。それほど、金融会社のCMは人を引きつけるよう巧妙に作られているのであろう。テレビで流れる金融会社のCMはものすごい量だ。多くの同胞が金融業を営んでいるが、私はテレビで流れる金融会社のCMが嫌いだ。ゼロ金利政策の恩恵を受けただ同然で大手銀行から借りたお金を高い利子をつけて一般人に貸し出す。濡れ手で粟(あわ)とはこのことで、そのような会社が公共の電波で大手を振ってCMを流すことが気に入らない。金、金、金の日本社会を象徴しているように思えるからだ。
先日、有名な日本の作家に会ったとき言葉の重要性のことが話題になった。そこで金融会社が「消費者金融」と名乗っていること、近ごろ化学調味料を「うまみ調味料」と呼んでいることがけしからんという話が出た。いかにも消費者のための金融会社であるかのようだし、人工的に作られた調味料ではないような印象を与える。 常に権力者は言葉をひねくり回して嘘をつくものである、だからものごとの本質を間違いなく把握するために言葉をきちんと学ばなければならないというのが、その作家の主張である。「グローバリゼーション」「国際化」「改革」「参政権」…。確かに聞こえはいいが本質が見えにくい言葉が多い。(徹) |