新世紀へ−民族教育を歩く

ウリマルで笑おう


 言葉を核に、民族の伝統と文化を育んできた私たちの民族教育。異国の地で半世紀以上に渡り培われた民族文化は、伝統に根ざしながらもまったく独自のものといえる。新世代たちは、独自の感覚で、独自の民族文化を創り上げる。

 東京小平市にある朝鮮大学校は、文字どおりの最高学府。そこでは、日々新しい文化が生まれ発信されている。今月2日、同校講堂の舞台上に仕立てられた劇場空間で、プロデュースグループ「ペッカン(白簡−何も書かれていない真っ白な手紙の意)」による公演が行われた。早い話が「ウリマルで笑いを楽しもう」という集団である。公演は共和国の漫談作品のアレンジや在日の生活をテーマにした才談(漫才)を中心にしながら、若者うけを狙ったちょっとエグいダンスやコントなどを盛り込んだ構成。全3回の公演はすべて満員御礼で、学生たちの関心の高さを示した。

 メンバーは6つの学部から集まって来た。代表の呉紀香さん(文学部3年)は、メンバーを通じ各地の朝鮮学校で創られた才談・漫談の脚本を集めているという。

 「涙だけが感動じゃない。笑いの中にこそ人々は集まるんだと思う。特に文学部や教育学部のメンバーには、自分たちが学校現場に立った時、次の子どもたちにそのことを伝えようという思いがある。もちろんウリマルで。」

 完璧な発音、とは言えないものの、それなりに流暢(ちょう)なウリマルでしっかりと笑いを取る姿はちょっぴり感動的だった。民族の魂が何より言葉に宿ることを、彼らも私も信じているのだ。(姜和石記者)

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