春・夏・秋・冬

 10、11日に都内で開かれる「歴史歪曲教科書を許さない!アジア連帯緊急会議」に参加するため、渡航証明書の発給を申請していた朝鮮の代表3人の入国が拒否された。外務省は許可する方針だったが、自民党内から反対があったからだという

▼3人は「従軍慰安婦および太平洋戦争被害者補償対策委員会」のメンバー。昨年12月に、やはり東京で開かれた日本軍性奴隷(「従軍慰安婦」)制問題を裁く国際法廷には、入国を許可され参加している。同じ趣旨の集会なのに、今回許可が下りなかったのは何とも解せない

▼「つくる会」の教科書は「韓国併合」、アジア侵略の目的、強制連行などの事実を甚だしくわい曲している。「従軍慰安婦」については記述すらない。にもかかわらず検定に合格し、すでに市販もされている。朝鮮は検定そのものの取り消しを求め、南朝鮮や中国は具体的箇所を挙げて修正を要求している。今回の集会も、7月の教科書採択決定期を前に、採択阻止運動の一環として開かれるもので、アジア各国から戦争被害関係者が参加する。朝鮮の代表だけを参加させないのはおかしい。主催者側が抗議したのも当然だ

▼「政治目的による入国であり、しかも日本政府を批判する立場」(平沢勝栄衆院議員)と自民党の反対派は述べているが、日本がアジア諸国に犯した戦争犯罪を後世にきちんと教えるべきだとするのがなぜいけないのか

▼「日本政府を批判する」人間を受け入れられないのは、排外主義意外の何ものでもない。未成熟な日本の政治の現状を見せつけている。(聖)

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