春・夏・秋・冬 |
「平壌は油の上に乗っている」――。金正日総書記は、今年3月に亡くなった鄭周永・現代グループ名誉会長と98年10月、会見した席でこう語ったことがあるという
▼原油探査研究所などが中心となって、平安南道の西海岸、元山沖の東海岸、そして安州などの内陸部で油田開発に取り組んできたことは本紙でも取り上げたことがある。探査地域は8ヵ所にのぼる。古来からも、安州一帯の地中から炎が噴き出し、国家的行事のたいまつに使われてきたことが文献に記されている。記者も97年秋、高潮被害に遭った平安南道粛川郡の協同農場を訪れた時、油田試掘用のやぐらを目撃したことがある ▼油田開発の現状はどうなっているのか、興味が尽きないところだが、朝鮮日報5月26日付は、北では油田開発どころかすでに98年から年間、30万トン(220万バーレル)の生産を開始している、との「韓国政府関係者」の話を大々的に報じた。場所は平安南道粛川郡の西海岸沖だという ▼また、同郡に隣接する徳川郡の内陸部でも油田開発が進められており、「何年かのうちには生産量を画期的に伸ばしてエネルギー難を解消する一方、10年後には海外への輸出も可能になる」と伝えた ▼1面に報道記事、経済面では約半分の紙面を潰して「産油国への執念 40年ぶりに夢実現」のタイトルで特集を組んでいる。これまで一貫して北を攻撃し、そのあまりのねつ造記事の乱発に南の民衆からも批判を受けている同紙だけに、逆に信ぴょう性は高いのかも知れない。祖国からの報道が待ち遠しい。(彦) |