6.15共同宣言発表から1年

北南関係知るキーワード


 昨年6月13〜15日の金正日総書記と金大中大統領による歴史的な平壌対面と北南首脳会談を経て、6.15共同宣言が発表されてから1年が過ぎた。この間の北南関係を知るためのキーワードをひろった。

北南共同宣言(骨子)

 1、北と南は、国の統一問題を、その主人であるわが民族同士が互いに力を合わせて自主的に解決することにした。

 2、北と南は、国の統一のための北側の低い段階の連邦制案と、南側の連合制案が互いに共通性があると認定し、今後、この方向で統一を志向することにした。

 3、北と南は、今年8.15に際して、離ればなれになった家族、親せき訪問団を交換し、非転向長期囚問題を解決するなど、人道的問題を早急に解決することにした。

 4、北と南は、経済協力を通じて、民族経済を均衡的に発展させ、社会、文化、スポーツ、保健、環境など諸般の分野の協力と交流を活性化し、互いの信頼を築いていくことにした。

 5、(省略)

 金大中大統領は、金正日国防委員長にソウルを訪問されるよう丁重に招請し、金正日国防委員長は、今後、適切な時期にソウルを訪問することにした。

赤十字会談

 共同宣言で明らかにされた人道問題を解決する対策を話し合う場。1回目は昨年6月に開かれ、8.15祖国解放記念日を機にそれぞれ100人ずつの離散家族・親せき相互訪問、非転向長期囚の帰還、離散家族・親せきのための面会所設置運営――などで合意した。これまで3回行われ、3回目では、300人を対象に手紙交換を行うことで合意。3月15日に実施された。

離散家族訪問団交換

 赤十字会談の合意に基づき行われているもので、これまで3回実現。1回目は昨年8月15日から18日まで、100人の離散家族・親せきがソウルと平壌でそれぞれ再会。2、3回目もそれぞれ百人ずつが対面した。

非転向長期囚送還

 共同宣言の合意に基づき、昨年9月2日に実現。朝鮮戦争中に捕虜として捕らえられた人々などで、非転向を貫いたため、南で30〜40年の獄中生活を強いられた。63人が家族のいる北に帰還した。

閣僚級会談

 共同宣言を履行するための問題を協議、解決する場。第1回会談で発表された共同報道文によると、中断されていた板門店連絡事務所の業務再開(昨年8月15日から)、京義線(ソウル―新義州)鉄道の連結とその協議の速やかな開催、総聯同胞故郷訪問団実現への協力などがうたわれた。これまで4回行われ、4回目会談では北南経済協力推進委員会の結成などで合意した。

総聯同胞故郷訪問団

 第1回北南閣僚級会談で合意したもの。総聯中央の徐萬述第1副議長(当時)は8月1日にこれを歓迎する談話を発表。総聯同胞の訪問が一日も早く実現するよう駐日公館、大韓赤十字社と直接協議を重ねた。1回目は1世同胞50人が南の故郷を訪問し、墓参や親せきとの再会を果たした。これまで3回行われ、4回目が6月22〜27日に予定されている。

シドニー五輪共同入場行進

 昨年9月15日〜10月1日に20世紀最後となる第27回夏季五輪大会がオーストラリアのシドニーで行われた。その開会式で、北南の選手団は分断史上初めて共同で入場行進。プラカードは「コリア」。行進曲は「アリラン」。「統一旗」を先頭に180人が入場するや、11万人の観客は一斉に立ち上がってスタンディングオペレーションを行った。在日同胞、南の応援団、在豪同胞による共同応援団が、北南双方の選手を熱く応援。統一実現への希望を抱かせる象徴的出来事となった。

経済協力

 経済協力を拡大させ民族経済の均衡的発展のための制度的保障を整備する目的で経済協力実務接触がこれまで2度行われた。投資保護、2重課税防止、商取引紛争解決の手続きなどで合意している。また、第4回閣僚級会談の合意に基づき、昨年末に経済協力推進委員会が開かれ、電力協力問題、鉄道・道路連結問題、臨津江水害防止問題、開城工業地区建設問題など各分野の協力事業について協議する分科を設置することになった。その後、電力会議と臨津江水害防止分科会議が開かれた。

軍事実務会談

 共同宣言履行を軍事的に保障するために行われた北南国防相会談の合意に基づき、北南を結ぶ鉄道・道路事業と関連した問題を話し合うために、これまで5回開かれている。5回目の会談で、京義線と道路の連結にともなう共同管理区域の設定と工事を具体的に保障するうえで提起される諸問題の41項目について合意した。

民族統一大討論会

 6.15共同宣言発表1周年に際して北と南、海外の同胞が参加して開こうというもの。5月の「わが民族同士で統一の門を開くための政党・団体合同会議」で北側から提案されたもので、開催で合意しすでに実務接触も行われた。場所は金剛山。北側は6.15から8.15祖国解放までを民族統一促進運動推進期間に設定しており、共同宣言発表1周年後の動きが注目される。

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