インターハイ初出場  広島朝高サッカー部

おめでとう OB,日本の関係者ら祝福の声

優勝を決めた瞬間、喜ぶ選手たち 必死に応援する広島朝鮮初中高級学校生たち

 12日に行われた第54回「全国高等学校総合体育大会」(インターハイ)サッカー広島県予選大会の決勝戦で見事優勝し、県代表としてインターハイに出場することになった広島朝鮮高級学校サッカー部。日本の関係者や地元在日同胞、OBらから祝福の声が寄せられている。(文責編部、順不同)

激戦区よく頑張った

和歌山・初芝橋本高サッカー部監督  田中勝緒(59)

 おめでとう。感動している。ピョンファ(平和)杯などで見ながら、正直まだ全国レベルには遠いのではと感じていただけに、激戦区広島で本当によくがんばったと思う。運も味方してくれたのだろう。インターハイ本番では同胞たちの応援を背に、その運をチャンスに変えて欲しい。

 大阪、神戸など朝高との付き合いは長い。まだ朝高が全国大会出場を許されなかった頃から、1日も早く同じ土壌でたたかう日が来るのを誰よりも願っていた。門戸開放後、大阪に続く広島の快挙。本当に心からおめでとうと言いたい。

民族教育の誇り

在日本朝鮮人蹴球協会会長  金清(47)

 県大会初優勝とインターハイ初出場おめでとう。私もサッカー部OBをはじめ在日の方々に知り合いが多いが、ピョンファ(平和)杯を開催してきた広島朝高サッカー部後援会をはじめみなさんの思いはひとしおだと思う。

 決勝戦で朝高は全員で走って、ボールにからむ気合の入ったサッカーを展開した。まさに精神力で勝利を収めた。広島朝高の県大会優勝は、県内のサッカーを活性化させる意味で新しい息吹を与えてくれた。いいライバルができたと思う。

ファイトあふれる

サンフレッチェ広島・同胞OB  李漢宰(18)

 本当におめでとう、そしてありがとうと言いたい。決勝戦の相手である広島皆実高校は実力的には朝高より上だったが、この大事な試合を後輩たちは気力でたたかってくれた。

 彼らは自分たちの実力をよく知っていたので、それにあった試合を展開した。

 今まで培われてきたがんばりが結果として出たと思う。決勝戦で見せてくれた後輩たちのファイトあふれるプレーから、気迫とサッカーへの熱い思いを教わった。

 今度は私がプロの世界で結果を出す番だ。

「広島」の名を全国に

元在日朝鮮蹴球団・同胞OB  金成哲(25)

 全国大会出場を目指して経験を積み重ねてきた高監督、その監督を信じ最後までついてきた選手たちの団結力と地道な努力、そして、1回戦以外の全試合を延長戦で勝ち抜いてきた闘志が勝利の要因だと思う。

 私も高3のとき、初めてインターハイ予選に出場した。当時は予選に出られただけで満足だった。しかし今、後輩たちが、広島朝高サッカー部の歴史に輝かしい一ページを飾った。インターハイで、広島朝高の名と在日サッカーの強さを全国にとどろかせてほしい。

後輩たちに夢を

広島朝鮮初中高オモニ会会長  李銀淑(43)

 決勝当日、どんな場面でもひるまず、最後まで前向きなプレーをする選手たちに胸を打たれ、生徒、同胞たちと一緒になって一生懸命応援した。翌日には声がかれて、体もヘトヘトに疲れ、仕事ができないほどだった。

 試合後の祝勝会で日本の関係者らが、「広島県代表として頑張ってほしい」と朝高選手にエールを送ったとき、嬉しさが込み上げてきた。

 インターハイでは、サッカーが大好きな私の末っ子を含め、後輩たちに夢を与えられるような素晴らしいプレーをしてほしい。

いいライバルできた

広島・沼田高校サッカー部監督  江濱律夫(48)

 県大会初優勝とインターハイ初出場おめでとう。私もサッカー部OBをはじめ在日の方々に知り合いが多いが、ピョンファ(平和)杯を開催してきた広島朝高サッカー部後援会をはじめみなさんの思いはひとしおだと思う。

  決勝戦で朝高は全員で走って、ボールにからむ気合の入ったサッカーを展開した。まさに精神力で勝利を収めた。広島朝高の県大会優勝は、県内のサッカーを活性化させる意味で新しい息吹を与えてくれた。いいライバルができたと思う。

心から「マンセー」

岡山朝鮮初中級学校校長  宋哲孝(50)

 優勝が決まった瞬間、あまりのうれしさに、力いっぱい「マンセー(万歳)」を叫んだ。わが校の卒業生の多くが試合に出場したが、朝鮮人として堂々とたたかったことに、心から「よくやった」と言いたい。また中・四国地方の初中高級学校間では、有能な選手たちを育てるために互いの連携を深めながら選手の育成に務めてきたが、指導にあたった監督や関係者たちにも感謝の意を表したい。広島朝高卒業生として、歴史的瞬間を見とどけられて本当にうれしかった。

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