春・夏・秋・冬

 ブッシュ政権の対朝鮮政策が固まるなか、北東アジアの平和作りをテーマにしたシンポジウムが先日、金沢と大阪で開かれた

▼いずれのシンポにも参加した友人に電話で感想を聞いてみると、「大阪はまだしも、金沢の論議は低調。パネラー、とくに日本の学者、研究者の質が悪すぎた」という言葉が返ってきた。理由を聞いて見ると、「昨年6.15共同宣言後の意味、その後の流れをまったく理解できていない」、という一点に尽きるようだった

▼その象徴的なものが「日米中とも南北朝鮮の統一をそんなに望んでいないと思う。ただ、なさるなら結構で、それほど反対はしないという立場だろう」という神谷・慶大名誉教授の発言。この御仁、朝鮮問題研究の古株で、テレビに頻繁に登場するコリアウォッチャーたちに弟子たちが多い。「神谷閥」のようなものを形成しており、その数を背景に日本の対朝鮮外交に影響力を与えてきたとも

▼「どうぞご勝手に統一して下さい、という言い方はない。まがりなりにも日本は、この地域の不安定要因を取り除くものとして南北朝鮮の統一意思を歓迎したではないか。それに、植民地支配をした過去、分断に加担した経緯からしても、そんなことは口が裂けてもいえる筋合いのものではない」

▼共同宣言発表から1年、金剛山で北南の民衆は改めてその履行、実現を誓い合った。事大主義のへい害の大きさについてわが民族は、骨身に染みるほどに体験している。だから、他人に頼らず、自らの力を信じ一つにして進路を切り開いていく自主しか生きる道はない。(大)

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