みんなの健康Q&A
食中毒(上) 夏場に多く発生
血便や発熱のある場合は医師にかかること
軽度の症状は安静にして水分を欠かさない
Q 夏場に食中毒が多く発生するというのはどうしてですか?
A 細菌が最も繁殖増加しやすい温度は37〜40度と言われ、夏場はこの温度環境が続くので、食品に付着した食中毒細菌が繁殖しやすいためです。しかし、冬場でも暖房の行き渡った室内環境では、食中毒を起こすことがありますので注意して下さい。 Q 食中毒の数は多いのですか?また、どの様な場所で起きているのでしょうか? A 厚生労働省の食中毒統計では、事件の数、患者の数ともに一時期少なくなりました。しかし、1996年の病原性大腸菌O―157の発病事件以来、事件数も患者数も増加しており、死者も数人出ております。食中毒の80%以上が細菌によるものと言われております。また、食中毒の発生場所は、2000年度の食中毒統計で見た患者の数が製造所、飲食店、仕出屋の順に多くなっております。 Q 食中毒の原因となる細菌にはどの様なものがありますか? A 2000年度の食中毒発生件数から見るとサルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなどの細菌が上位にいますが、O―157を含めた病原大腸菌、ブドウ球菌、小型球形ウィルスなども多く見られます。 表に示した、「毒素型食中毒」とは、食品の中で増殖した細菌が毒素を作り、食品とともに食べた毒素が原因となって起こす食中毒です。「感染型食中毒」とは、食品の中で大量に増殖した細菌を食べ、腸管の中で感染を起こす食中毒です。腸管の中で細菌が毒素を作って下痢などの症状を起こすものを生体内毒素型といい、ハッキリした毒素を作らないで腸管細胞に侵入する事で症状を起こすものを侵入型といいます。 Q どの食中毒菌がどの様な食品、食材につきやすいのですか? A 「サルモネラ菌」による食中毒は、加熱が不十分な食肉や卵が原因になりやすくなります。海水中に生息する「腸炎ビブリオ」は淡水に弱いのですが、淡水での洗浄が不十分であったり、冷蔵保存が不適切な場合の刺身、たたき、鮨などの海産魚介類を生で食べることが問題になります。「カンピロバクター」も加熱不十分な鶏肉などが原因。「ブドウ球菌」は人や動物をはじめ広く自然界に分布しています。このため、おにぎり、折り詰め弁当など手を使って調理するものは、取り扱いや保存状態が悪いとすべて食中毒の原因になります。 Q 細菌性食中毒の症状と対処する注意点は? A 一般的には腹痛、はきけ、おう吐、下痢などがありますが、軽い場合は安静にして水分をかかさないようにして下さい。症状が続いたり、ひどくなったり、血便や発熱のある時は医師にかかって下さい。けいれんや意識もうろうの状態になるようなら夜間、休日でも緊急の処置が必要になります。(次回は家庭での食中毒予防について) |