春・夏・秋・冬

 東京・渋谷で開かれている「ラグー・ライ写真展」を見た。写真家集団「マグナム」の会員でもある世界的に有名なインドの写真家で、インドの人々の様々な断面をエネルギッシュにとらえていた。とくに、貧しくてもたくましく生きる労働者の姿には圧倒された

▼マザー・テレサやラディブ・ガンジーなどからも絶大な信頼を寄せられていたといわれ、展示写真にはマザーの写真も飾られていた。その一つのキャプションに、マザーのこんな言葉が記されていた。「愛に対抗するのは憎しみではなく、無関心である」

▼昨今日本で起きている殺伐とした事件の背景にも、人々の無関心があるのではないかと思う。例えば、駅のホームで殴殺されたサラリーマン。とめる人はいなかったのか。関わると自分の身が危険だからと、電車内で傍若無人に振る舞う若者がいても、避けて通る人が少なくない。昔は「おせっかいな」大人が1人や2人はいたものだ。そうやって社会のルールを身につけていった

▼そんなことを考えていたら、ちょうど兵庫・宝塚市でのユニークな試みがテレビで紹介された。エコマネー「ZUKA」についてだ。マネーと言っても本当のお金ではなく、何かをしてもらった時に感謝を込めて渡すもの

▼例えば、外出する主婦が子守をしてくれる近所の主婦に、高齢者が面倒を見てもらったボランティアに渡す。その過程で見知らぬ者同士に信頼感が生まれる。互いが無関心ではいられない風潮が出ているという。地域における相互扶助の場。総聯には「同胞生活相談綜合センター」がある(聖)

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