「コリア国際戦犯法廷」、ニューヨークで開催
民族の力で米国の犯罪裁く/まずは駐南米軍の撤収を
住民大量虐殺、無差別爆撃など朝鮮戦争時に米軍の犯した非人道的な蛮行を裁く「コリア国際戦犯法廷」が6月23日(現地)、ニューヨークで開かれた。加害国米国の中心地で行われた今法廷は北南朝鮮、海外の同胞による汎民族調査団体「米軍虐殺蛮行真相究明全民族特別委員会」(「全民特委」)、米国の全国組織「インターナショナルアクションセンター」(IAC)、元軍人らによる「平和のための米全国在郷軍人会」の共催によるものだ。法廷には南朝鮮、フランス、ドイツ、ベルギーなど世界各地から約500人が参席、「ニューヨークタイムズ」、イギリスの国営放送「BBC」や「AP」など内外から多数の報道陣が駆けつけた。
法廷主催団体の一つ、「全民特委」事務局事務総長のチョン・キリョル牧師は「民衆法廷のため法的拘束力はないが、朝鮮半島における米軍の住民虐殺を南北の民間団体と当時の参戦国代表らと共に審判したことに大きな意味がある」と述べ、「50余年前の朝鮮戦争を含む米軍の犯罪を裁く初めての国際的、民族的出来事」と法廷の意義を語った。 民族の力で解決 「全民特委」を初めとする法廷主催団体関係者たちは13ヵ月の期間を費やし、米国を法廷で起訴する告訴状を準備するため北南朝鮮と海外に住む戦争被害者たちの証言を聴取してきた。聴取に参加したチョン事務総長は「法廷は何よりもすべての人民の心にある朝鮮民族の『ハン』(恨)を解き放つ場。踏みにじられた民族の尊厳を取り戻す仕事」と語る。 そしてこのような決意のもと、「何よりも被害者である北、南、海外7000万すべての朝鮮民族の力で解決」することを目的に、昨年5月「全民特委」が結成された。 祖国の分断とともに50年以上、解決されることのなかった米軍の戦争犯罪が法廷で裁かれる歴史的な出来事である。 消えない傷痕 当初、「法廷」では北、南、海外に住む被害者とその遺族らが証言台に立つ予定であった。しかし米国の不当な入国拒否処置によって、北側代表団は「法廷」に参加できなかったが「法廷」では北側を除く南と海外の被害者やその遺族らが証言台に立った。 証言者たちは自身の傷跡や肉親の死を語り米国政府の謝罪と補償を強く訴えた。 「米軍の爆撃機を見て村の人たちは助けを求めてハンカチを振った。するといきなり私たちに向けて爆弾を落とした。母や父を含め450余人が一瞬で爆殺された」 法廷には当時、朝鮮戦争に参戦し、B−29爆撃機で元山を爆撃したという元軍人も参加した。 「命令に従い爆弾を投下したが、今ではどうしようもなく後悔が止まない」と被害者たちに謝罪した。 また、法廷に参加できなかった北側の証人たちもビデオ映像を通し、当時体験した「恐怖の瞬間」を憤りの中、再現した。 「米軍は私の2本の腕を次々に撃った。痛いからと泣くと今度は銃剣で腕を切り取った。『娘を返せ!』と叫ぶ母に奴らは切り取った腕を投げつけた」 米軍撤退を強調 国際共同検事団主席検事の1人、ラムジ・クラーク(米元司法長官)氏は法廷に先駆け北南朝鮮を訪れ、多くの被害者から証言を収集した。そして無差別的な爆弾投下や生化学武器の使用といった証拠を通して、当時米国が住民虐殺を意図的に行った事実を公開した クラーク氏は北南朝鮮合同起訴状を朗読。 「米国は朝鮮戦争当時、160万〜350万人と推測される民間人を虐殺するなど1945年解放直後から今日に至るまで世界人権憲章や条約、各種国際規約や協定また法などにすべて違反し、罪を犯した」と述べ、「平和と人権、民族の自尊を尊重する国際規約の名のもとに処罰されるべきだ」と強調した。 12時間に及ぶ裁判の末、世界16ヵ国(朝鮮戦争参戦国)より選ばれた陪審員たちにより、「1945年、トルーマン以降ジョージ・W・ブッシュに至る全大統領と国務、国防長官、各情報機関の責任者および駐南朝鮮米軍司令官らに有罪判決」が命じられた。 また、判決文とともに勧告案が提示され、@駐南朝鮮米軍の即時撤退A対北朝鮮制裁措置の撤回B米軍犯罪による南朝鮮民衆に対する米政府の補償C朝鮮半島統一に対する米国の干渉中断D資料の公開――を勧告した。 クラーク主席検事は「米国がこのような主張を受け入れるよう今後、積極的に努力する」と語り、とくに「駐南朝鮮米軍が南の民衆の自主的統一を妨害し、人権をじゅうりんしてきた以上、必ず撤退させるべき」と強調した。 国際的連帯、強調 法廷に続き24、25日にはニューヨーク、ボルチモア、ワシントンの3つの街で反米イベントが開かれた。 被害者や遺族などの法廷参加者はもちろんカナダ、フランス、アメリカ各地から集まった300余人の参加者は2日間にわたりUN本部やホワイトハウス、そして米議会前などで駐南朝鮮米軍撤収とアメリカの朝鮮半島問題干渉の中断を訴える大行進を行った。 「韓国統一協議会」リ・ヒョンウ氏は「在韓米軍駐屯以降、韓国人の人権じゅうりんはもちろん統一が遠のき民族の自主が抑圧された」と指摘、「米軍は民族の尊厳と自主的統一のため即時撤収するべき」と主張した。 また、「IAC」のブライアン・ベッカー事務局長は「米国の対北経済制裁の非人道主義性と反人倫性を指摘し米国の覇権主義的行動を中断させるための国際的連帯」を呼びかけた。 新しい転機 「米州自主連合」リ・ヘンウ議長は「史上初めて開かれた『コリア国際戦犯法廷』は米国の民間人虐殺を究明する新しい転機を開いた。参加者および関係者たちは歴史的な3日間を通じ、米国の蛮行を世界に明かした」と感想を述べた。 法廷主催団体では「8月にUN人権委員会にも判決文と告発状を提出しハーグの国際司法裁判所にも問題提議する計画」(チョン事務総長)と語る。 |